椿本力三郎

ラストエンペラーの椿本力三郎のレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
4.5
半年くらい前と記憶しているが、
新宿で「ラストエンペラー」が再上映された。
映画好きの仲間内でも話題になった。
「絶対に見ておいた方が良いよ。
恐らく10年くらい後になると中国の発言力が強くなる。ラストエンペラーは、中国の政治批判的な要素が濃い。
そういう空気を忖度して、これから上映されにくくなるだろう。
ひょっとしたらこれが映画館で見る、最後になるかもしれない」という話になった。
私自身は、もう30年近く前に見た作品で、確かにそういうテイストは感じたので、再度見ようと思っているうちに上映が終わった。
ありがたいことに、舞浜イクスピアリで2週間限定で上映されることになり、早速見に行った。
圧倒された。
3時間弱があっという間に終わった。3歳で即位し、その後、死ぬまで権力に翻弄される人生。ジョン・ローンが、素晴らしくセクシーで、そして晩年もきちんと老人として枯れている。
音楽も紫禁城のスケールも考えると必ず映画館で見るべき作品だと思った。
映画は上等なワインやウィスキーと同じように10年、20年寝かせて、繰り返し見るべきものだね。
マーベラスの一言に尽きる。
甘粕正彦役の坂本龍一も素晴らしい。