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雨にぬれた舗道
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『雨にぬれた舗道』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

4.3
 冒頭のフランセス・オーステン(サンディ・デニス)の歩き方は何かしら寄る辺なき思いを抱えた未亡人の寂しい歩行に見える。メロドラマ的には恋に破れ、新たな別の恋を受け身に待つ女性にも見えて来る。然しながら今作のヒロインはちっとも受け身ではないし、三十路のお金持ちのおひとり様なのだ。カナダはバンクーバーの裕福なアパート。ここで彼女は恐らく同じ棟の住人たちと呑気に貴族のような昼食会を開催するのだが、窓の外の風景に目が留まる。秋の冷雨に打たれる公園のベンチでは1人の男がずぶ濡れになっている。風邪を引くからと心配した彼女は青年(マイケル・バーンズ)を自分のアパートに招き入れるばかりか、濡れた服を脱がせ、風呂に入れたり食事を与えるなど至れり尽くせりの接待をしてやる。そこに浮浪者への施しが1mmもないとは言えない。だが少し意地悪な言い方をすれば、彼女はベンチに座っている男が老人だったら、同じような施しをしただろうか?フランセスはおそらく、1回りも年の離れた若い青年を何らかの目的があって自宅に招き入れる。その時点での彼女の姿は姉のようでも母親のようでもある。だが彼女がどんな言葉で応答を試みようが、若い男は一言も声を発しないのが不気味に映る。声を発しない応答というのは、YESでもNOでもある。言葉を発しない以上、どちらも含んでしまうと思った方が良い。つまりそこには彼女の○○であって欲しいという想いが多分に含まれる。

 これは典型的な過干渉な応答ではないだろうか?何でもしてくれる母親に対し、何も言わなければそれでアリになる。言葉で自己主張しなければ全てはなし崩し的にアリになるのだ。然しながら夜は部屋のドアのカギを彼女が閉めていると知った青年は窓を開け、母性の過干渉的な束縛から果敢に逃走を試みる。彼女の住む高層アパートの表側からは想像がつかない裏側の造形に笑ってしまうが、非常階段を駆け下りた彼は一目散にどこかへと走り出すのだ。辿り着いた先はみずぼらしい低層アパートで、ラズロ・コヴァックスのカメラはこのアパートの上り下りを左右に揺れるカメラの挙動で丁寧に映し出す。この家の様子でギョッとするのは青年は実は普通に話せるのだ。その後青年は船の中で姉ニーナ(スザンヌ・ベントン)と会い、自分たちの境遇とはまったく違うブルジョワジーの夫人に声を掛けられたことを切々と語るのだ。然しながら当初は善意の第三者に思えたフランセス・オーステンが何だか途中からどんどん怖くなって行く。明らかに距離感がおかしくなり出した辺りでこれは飼い主とペットとの間柄ではないかと思い始める。強迫観念の裏返しとしての妄執は彼女の「不妊」とも重なり、性の檻にヒロインを閉じ込める。69年と言えばフリー・セックスが横行した時代で、彼女の持つ規範や貞操観念が逆に歪さを掻き立てる。その後の展開は心底とち狂っているが彼女はそれをいとも簡単に粛々とこなす。未配信・未ソフト化と聞いて有楽町に勇んで出掛けたものの、昔VHSで思いっきり観ていた作品だと開始10分で気付いたが、当時よりも今観た方が刺さる奇妙な作品。いわゆるシャンタル・アケルマン以降の世界線にジャストフィットな傑作。
horahuki

horahukiの感想・評価

4.4
これは傑作ホラー!そんでエロ過ぎませんかね。露骨なシーンはないのだけど序盤のフェチ的なエロさが特に凄かった。「年寄りになんて触れられたくない!若い男子が良い!」をモットーにする主人公が、若いイケメンを捕獲して、如何にしてSEXまで持ち込むかに全力投球するド変態映画!なにそれサイコーじゃん😂

冒頭、主人公の画面侵入からして既に嫌な予感は滲み出ており、ブルジョワどもが待つ家に至るまでの時間にもその心情が投影されている(しかも途中で対極概念とすれ違う)。その後も窓を挟んだ外と内の相剋的関係の現実・心的における支配関係の逆転と優劣とを徹底的に植え付ける。彼があの位置に座っていた事実には、位置取りに対する主人公の妄想的願望が心的現象として加わっており、空席に座り込む余地(原作では実際に隣に座る)のみならず、更には反復するごとにしなった木の枝が空席部分を覆い隠すような位置(距離)の変遷のようなものも見え、欲望が先鋭化していく気持ち悪さを増長しているように見える。

そこには老いと幼さの関係が根深く、窓越しの憧憬的な視線は性欲動だけでなく自身の失いつつある若さ故でもある。この辺り『反撥』のようで、それを踏まえると偶然だろうけれどジャガイモの言及が意味深なものとなる。そして、それを隔てる窓のバリケードのこちら側には「年寄り臭い」と自身でも嫌悪の言葉を発する「老い」しかなく、その透過性が可能性に転換される。それでもやはりそれは内と外を隔てる壁なのであって、自身の問題という被投され幽閉された閉鎖空間から観客が映画を見るかの如くに、自身の憧れを窓というスクリーンに映し出しているに過ぎない。つまりはそこに見た(と思った)可能性は不可能性でしかない。

それは主人公が死と向き合ったが故に見えてきた光景でもあり、ある種の本来性とも言えるわけで、それ以降頽落的な関係性をとことんまでに拒絶し始める(実際は真逆で、非本来的な逃避ととれる。少なくとも覚悟は感じない)。本作のアプローチとしては主人公に対する個別的な分析のように見えるけれど、イケメン含めた若者たちの描かれ方も考慮すると作品としては普遍へと敷衍させる意図の方が強そうに感じたし、ある種の映画を見る行為への分析、そこから派生した被投と企投の分析にも感じた。

会話・言葉による心情表現も面白く、シュルツで言う背面と前面の修飾関係というかサルトル的な無化というか、どちらにしても内と外の関係性が徹底されており、その境界を強烈に意識させている。しかもその表象を確定させない(情報として一元化させていない)ところに心的な階層が現れていて、更にはそれを踏まえた行動に果てしのない自己愛まで投影されているのがゾクゾクする。その自己愛はイケメンくんを子犬のごとく捉える傲慢さ(ゴミ捨て場に捨てられた新聞を身に纏い雨を凌ぐ姿なんてまさにそのもの)や、全く話そうとしないイケメンくんの態度を余白として自身の理想像をそこに投影していく様からも窺え、新聞紙を捨てた人や自身の地位を勘案すれば階級についての言及も兼ねていることがわかる。

イケメンくんの背景事情はほとんど描かれないものの、両者ともに類似存在であり、互いに抱える疎外状態から本質を探る過程において倒錯を起こし、両者ともその倒錯に疎外されていくという地獄。鏡像の多用は他2作『イメージズ』『三人の女』でも見られたけれど、本作では控えめながらこの点において混濁(倒錯)の意図を強めに用いているように思えたし、窓からのイケメンくん観察を踏まえて鏡像に2人を映し出す風呂場シーンへの変遷が内-外の境界を超越した2人の現前性をあくまでも虚像として捉えるあたりに面白みがあったように思った。ここから虚像と実像、そして関係性と疎外の発想を発展させたのが『三人の女』って感じがする。

そんでジャーロ好きとしては、同時期のレンツィ『狂った蜜蜂』との類似性がすごく気になった。原作があるし、中盤あたりからは真反対の方向に進むのだけど、同時期(『狂った蜜蜂』が68年、本作が69年)に妙齢美女によるイケメン監禁映画(しかも両作とも姉(妹/偽だけど)を連れ込む)がつくられるとは…。そして本作はジャーロだと言い張ればジャーロな気がする。
たむ

たむの感想・評価

4.2
世界三大映画祭を制覇しているのに日本では非常に観づらいアメリカ映画界の巨匠ロバート・アルトマン監督。
その長編第三作が劇場公開!奇跡的です…。
興行的に大失敗しながら、次作『MASH』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞する、非常に尖った作品です。
性的な欲求不満をテーマに、孤独を描き出す映画で、今観ても強烈なインパクトがあります。
ジャンルを越境しながら、挑戦的なテーマと素晴らしい演技。
69年という時代でも時代に合ったテーマだったと思いますが、現代の閉塞感にも共感と戦慄を与える映画ですね。

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