ロッキーといえば、私的には冷戦時代の米ソ対立の縮図をリングに詰め込んだ前作のパート4。アメリカ万歳の大円団にゴルバチョフだって心動かされてスタンディング・オベーションに加わってました。
前作ラストで繰り広げられたソ連製戦闘マシン、ドラゴとの死闘で、ロッキーは脳に損傷を受けしまい引退を余儀なくされてしまうところから本作は始まります。そして、追い打ちかけるように多額の負債を抱えてしまい、ロッキーは一文無しに…。
きた、これだ。いいですね。
ドン底への振り出し。再び古巣に戻るロッキー。ロッキーと義兄ポーリーがフィラデルフィアの寂れたダウンタウンを歩く様子だけで胸いっぱい。馴染みすぎでしょう。でもエイドリアンと息子はちょっとかわいそうだけどね……。
今は亡き名物トレーナー、ミッキーの遺産であったジムを引き継ぎ、細々と暮らし始めるロッキーの「金が無くても、家族がいれば…」な心意気もいいですね。テーマはボクシングではなく家族の繋がり。これがいいです。
しかーし。スタローンがそれで終わらすわけがなーい。
以下からがネタバレ↓
メッチャ強い不良がジムの門を叩き、瞬く間にプロの世界へ頭角を現したのをきっかけに、ロッキーは家族そっちのけでトレーナー業にのめり込み、嫉妬した息子には嫌われて、ドン・キングみたいな悪徳風プロモーターにいいとこどりされ、ストリートファイトで決着を付け、家族のよりを戻す。
やはり、テーマはボクシングではなく家族の繋がりだった。これでいいです。