炭酸煎餅

ファイナル・カウントダウンの炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

2.3
イッツァファイナルカウンダーン♪パララーパー パララッパッパー♪
という曲とは関係ない、時間転移物SF。(本作は1980年、曲は1986年)

米海軍全面協力とのことで、舞台となる空母USSニミッツや艦載機のF-14トムキャット(しかも現在でも大人気のスカルマークの部隊)等々も全て実物が登場して迫力あるシーンが展開されますが、お話の方はどうやら本当に時間転移したらしい、という状況が完全に把握されて皆の共通認識になった辺りでもう残り30分を切るくらい。
あれ?と思ってたら半ば雰囲気的な流れで艦長が真珠湾攻撃への介入を決断して、攻撃隊を出撃させたところでニミッツを時間転移させた現象が再発生し、大急ぎで部隊を呼び戻してみんなで現代に帰還して幕……というなんともあっさりした作品でした。

「自分たちはどう行動すべきなのか」「歴史に介入するのかしないのか」「仮にしたらどうなる?」みたいな葛藤とか議論とか、そういうのはメインキャスト周辺の一部士官で本当にちょろっと話し合われるだけでドラマとしては実質無いも同然。
こういうお話だったらそういうテーマの上での人間模様とかが見せ場なんじゃないのかなあ……と思うんですが、ひょっとしたらこれが、「真珠湾に介入しようがしまいがどうせすぐ優勢になって最後は勝つ」側の国の感覚なんですかねえ……?
トムキャットが零戦(こっちは見た目が似た飛行機を改造して作った映画用の模造機)を追いかけ回す辺りでやけにヒロイックなBGM流してましたし、実質それがやりたかっただけなのかも知れませんが。

先に書いたように空母と艦載機の実物がガンガン出てきて、武装の搭載や発艦着艦の様子なんかも詳しく映されていますので、ミリタリー趣味の資料映像としての価値はかなり高いんじゃないかと思います。
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