ミヒャエル・ハネケ監督作品5作目…。
彼のデビュー作であり、これまでで1番苦しい作品でした。
両親と娘の3人家族の姿を3部(1987年〜1989年)に分け変化を描きます。
この作品では説明は一切排除、事実のみを映像として映し出します。勿論実話ベースです。
そして特徴的なのが、シーンの間にわずかなblack outがあること。説明がない分、自分で整理せざるを得ませんが、逆にそれが不安要素になります。
些細な問題はありながらも、ごく一般的な家庭。ただ、彼らの日常生活の中で表情は意図的に映さず、行動のみに注目させます。たとえ表情が映ったとしても、そこに笑顔はありません。またしても感情の欠如により不安、焦燥感に駆られます。
一体どのまで不安にさせるのでしょう…。
そしてそのことによって、物質の豊かさや、毎日毎日繰り返し行われる日常のルーティーン…それらが彼ら家族を蝕んでいるようにも見えてきます。
〜〜〜⚠以下ネタバレ含みます⚠〜〜〜
結果、彼らは"破壊行為"に転じます。
それは自らも命を絶つという覚悟が出来たことも意味します。
何の意味もなく会社を辞め…預金を全て下ろし…電話の受話器を外し…お金をトイレに流します…。
残ったお金で工具を買い、家具を全て破壊します。
大きな水槽も…唯一、生に執着のある娘のエヴァだけが床でバタバタ喘いでいる魚を見て泣き叫びます…。
そして…妻は毒薬を飲み、娘は餓死し、妻と娘の死亡時刻を壁に書いて夫も毒を飲みます。
そして…テレビの砂嵐と共に一家心中を遂げるのです。
時折映し出される天国のような海岸の景色…。それがセブンス・コンチネント(第7の大陸)なのでしょうか?彼らはそこにたどり着けたのでしょうか?
因みに監督はインタビューで「自分は物語る事、解答は観客それぞれが見つけ出せば良い」とおっしゃっていました。
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