ShuheiTakahashi

バッファロー’66のShuheiTakahashiのレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
4.0
クズで威圧的で、口悪くて、すぐバレる嘘を吐いて、ハラスメントだらけで最低な男なのに、
繊細で弱くて、自分一人では立っていられないで、イタくて、ちょっと潔癖で、可愛く思えてしまう。
けれど、自分がいくら辛くて苦しかろうと、誰かを傷つけていい理由にはならない。

レイラとロッキーの存在は貴重だ。
ビリーを好きになるレイラについてはほとんど明かされない。
ビリーのこと好きになるか?と正直信じられないが、勝手な想像ではレイラも居場所というか、自分の場所がなくて、どんな形であれ必要とされたことに依存しているのかな。
ビリーはあのクソ両親に育てられて、甘えることができずに育ち、やっとそのままの自分を見てくれるレイラに出会い、落ち着いた感じ。

トイレは最後のぎりぎりまで立ちションを選ばなかったり、ベッドのシーツは座ったあと綺麗に直したり、禁煙必ず選んだり、ベッドカバーには座らないようにしたり。
お風呂での体育座り。
可愛げが散りばめられていて、憎めない。
クソ童貞こじらせ亭主関白男だけど、これからの成長に期待。

それにしても父親のセクハラは気持ちが悪すぎたな。

シーンの切り替わりの仕方や、回想への入り方など面白くて飽きずに見られた。
そして父親の歌唱シーンやレイラのダンスシーンもなんだか笑けたし、なんだか見てしまう。
ベッドに寝転ぶシーンで、ビリーの斜めの寝方は愛しいなあ。
所々不思議な演出の会話劇、けど展開的には王道で。
ビリーの最初の目的、欲求より、ビリーにとって必要なものが勝って、それを選んだハッピーエンド。
最後に愛は勝つ。
クリスティナ・リッチの魅力たっぷり。
ShuheiTakahashi

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