小津安二郎「長屋紳士録」に対し清水宏「蜂の巣の子供たち」、「風の中の牝鶏」に対しこの溝口健二監督の本作は、連動している気がする。生半可では無く、巨匠たちが雄弁を奮って訴えた社会的責任に敬意を表したい…
>>続きを読む2022年に見た江口のりこ・前田敦子主演の同名ミュージカルの元映画ゆえ見たかった作品。
1948年作品。終戦直後の大阪・西成が舞台。
夫が戦死し子供を病気で亡くした房子(田中絹代)は生きるためにあ…
【 戦後間もない夜の闇を描いた溝口健二 】
ベートーヴェン「運命」風のテーマが導入部で流れて始まる。
戦後間もない生活苦から夜の闇に堕ちていった女性たちが、混沌とした時代を必死に生き抜いていく米…
田中絹代の女優魂を見た。女優陣の演技は力強く、戦争直後に追い詰められた女性達の生きにくさが伝わってくる。考えると結構恐ろしい話で、彼女達を変えた荒れた世間、都合の良い男達への怒りが伝わった。溝口健二…
>>続きを読むGHQ監視の元、性病に対する啓蒙活動の一環として作成されたらしい。
救いの無い悲しいお話。女性の殴り合い怖い。性欲の捌け口となった女性の末路を知らずのうのうと生きている男性はもっと怖い。
舞台が大阪…
しかし焼け跡に残る廃墟の
教会のマリア像のステンドグラスに映る娼婦二人の影、
なんて凄いアートな映像を昭和23年に撮ってたんだな?溝口健二。
カメラワーク、クレーンでかっちり見せる。なんといっても凄…
戦後、大スランプに落ち込んでいた溝口。
盟友の小津が大船にて、戦後方向転換して活躍し、若手の木下恵介が佳作をどんどん発表するなど、松竹から「過去の監督」とレッテルを貼られていた。
起死回生を狙って…