炭酸煎餅

桐島、部活やめるってよの炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
3.1
また言語化の難しい映画だなあ……。
青春映画は青春映画なんだけど、こう、狭い世界での閉塞感とヒリヒリした人間関係の詰まった「『青春青春って言うけど、青春ってこういうザラザラしたのも含まれるよね』な方の青春映画」とでも言うか……。

本作を語る際に「スクールカースト」という言い方がよくされますが、個人的にはカーストという"上下"的なものよりも、学校の教室という場に特有の、本来ならあまり交わらないだろうコミュニティ同士が同じクラスに入れられている状況における「非常に居心地の悪い感覚」がすごくリアルに描写されているなと感じられました。
私だったらこの教室、授業とかの必要最小限の時以外は居たくないな……。
(松岡茉優の「自分以外を基本見下してる」系のイキリギャル演技、凄くないですか??)

物語の尺のほとんどが「『目立つ方』コミュの中心だった『桐島』が誰にも黙って突然部活をやめる」という"大事件(彼らにとってだけの)"によって少しずつ軋んでいくコミュニティの様子に取られているので正直観ていてかなりしんどいシーンの連続だったのですが、物語の本当にラスト、屋上での「目立たない方」コミュとの衝突の後にはなんとなく解放的な方への変化を予感させて、「ザラザラしてない方」の「青春」があったように思えました。

前田くんと菊池くん、あの後もしかしたら友達にな……る?ならない?なってくれてたらいいんだけどな……とか思うんですけど、どうでしょうね?
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