炭酸煎餅

ガンマー第3号/宇宙大作戦の炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

3.9
面白かった……。
「宇宙からのメッセージ」がまあなんというかアレな仕上がりで、深作欣二とSFの相性ってそもそもどうなん……?と思って過去作のこれを観てみたんですが(実は「復活の日」も個人的にはあんまり……だったので)、序盤1/3を「地球に急接近する遊星を爆弾で破壊する」という"アルマゲドン"ミッションで温め、以降で本筋の「乗員に付着して宇宙ステーションに入り込んだ危険な異生物との攻防」という"エイリアン"系の閉鎖空間パニックを展開するという構成は巧みで非常にサスペンスフルな作品になっていたと思います。

もちろん60年代のSFですから特殊効果やデザイン諸々は時代なりですし、怪物がもろに「中に人が入っている」シルエットなのはわりと苦笑ものなんですが、中途半端にヒト型をした怪物が知性ではなく習性だけで動いているらしい様子は場面によっては結構不気味で、クラシックながらもちゃんと「SF」しているなという印象を受けました。

現代からすると大分センスの古いタイトルや、スタッフは日本人なのにキャストは全員外国人という謎の企画性に敬遠せず、一度ご覧になってみてもいいのではないかと思います。
炭酸煎餅

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