やり過ぎともいえる構図とカット割りの連続、重層的な人間関係、五所平之助がつくり出すカオスに圧倒される。
オープニングの跨線橋の下を通る汽車の煙がカオスを予示する。車両基地脇の病院をトポスにする物語…
善良な女医・津島恵子の受難。
飛行機、車、爆竹…登場人物が衝撃音に対して過敏だったのが印象的。作中の老若男女皆が戦争を体験した人ばかりだものなぁ。
女たらしの守銭奴院長・宇野重吉が貧乏時代を…
とにかく①辛気臭い②思い込みが激しい③他人にわかる言葉で話そうとしない の1つまたは複数をみたす人物しか出てこないのでムズムズしっぱなしだが、彼らが彼ら自身のギリギリな切迫を生きているのでこちらはた…
>>続きを読む丸メガネに口髭、鼻の下を伸ばしきった宇野重吉の津島恵子への一方的なプロポーズから。靴下脱ぎ散らかし、カレーは汁が見えないほどのライス大盛り。不安にさせる笑顔で登場する高杉早苗のしつこいほど大写しにな…
>>続きを読むなんなんだこの映画は。2時間ノンストップてんこ盛り、情報過多すぎて脳がシュッシュッポッポッだよ。
只事ではない不穏なモチーフのオンパレードに、熟練役者に些細な仕草を施す演出とやはり時空を切り裂く「間…
椎名麟三と五所平之助の組み合わせは良いようで、三作目。鶴見電車区脇にある病院が舞台。
狡辛い宇野重吉の院長に迫られる津島恵子の女医。さらに彼女を見張る怪しげな芥川比呂志。
椎名麟三は市電の運転手だっ…
演出やカット割はさることながら、素晴らしいロケーションと撮影が裏打ちする不穏に覆いつくされた映像が只事ではない。芥川比呂志が熱っぽく語る人間賞揚のトートロジーは空回りし、死にたい木村功は線路に飛び込…
>>続きを読む愛と死の谷間、底無しのダークさに見終わったあと自分も心臓のあたりが痛くなった。シュッシュポッポだ。映画自体が悪夢、抱えきれない細かすぎる絶望の詰め合わせ。黒い鉄橋を軸に黒い煙を自在に操る五所へいの見…
>>続きを読む愛と死に代表される全ての相反するものの間に立ち込める黒い煙を描く監督凄すぎて、あと黒川町の面々も要素がありすぎて何から伝えればいいのかシュッシュポッポだよ。焼酎ホールに水槽のビヤホール、波止場でアイ…
>>続きを読む『マダムと女房』を見て苦手意識をずっと抱いていたが、古典ハリウッドのフィルムノワールにも勝る暗闇と暗闇の画面を覆うスモークを日本を舞台に描いた作家がいたことに驚愕した。人物の歩く、止まる、立つ、座る…
>>続きを読む