炭酸煎餅

宇宙からのメッセージ MESSAGE from SPACEの炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

2.1
スターウォーズで巻き起こったSFブームに乗っかるべく、アレが日本に来る前に完成させろ!と進行中だった企画を急遽変更して突貫工事で制作されたとかいう壮大な宇宙時代劇映画。
いや時代劇でしょこれ。

確かに舞台は宇宙で、「どう見てもスターウォーズ」な要素は色々あるんですが、全体的な味わいとしては明らかに「和」のテイスト。
アイデアのベースになっているのが「里見八犬伝」で制作期間も短いせいか、「既知のもの」の延長線上でなんとかしたのかな……という感があり、時代劇的な台詞回しとキャラ造形にテレビ特撮的なビジュアルを合わせ、その他「手持ちの素材」をちょこちょこ入れてみました、という感じのなんともごった煮感あふれるカオスな作品になっているように思えました。
(スターウォーズがそもそも時代劇リスペクトですし、日本の特撮も時代劇の流れを汲んでいるわけで文脈的にはむしろ順当なのかもしれませんが……)

特撮は売りになってたらしいだけあってそれなりに作り込まれてると思いますし(なんか動きとかが「ギャバン」ぽいなと思ったら特撮監督は同じ人でした)、キャストもベテラン・実力派が揃えられているので、現在でも海外含めてカルト的な人気があるというのは分からなくもないような気もします。色々建て付けに無理がある映画なのは事実だと思いますし、おすすめはしませんが。
(そういえば一人だけ東映ヤクザ映画から来たみたいな人、あの人"リアベの勇士"の一人なのに結局姫様売り飛ばして裏切った以外何もしてませんよね……?なんだったろう)

それにしても、監督の深作欣二が後に色々共通するスタッフ・キャストでネタ元になった「里見八犬伝」を撮ったというのはなんとも言えない「縁」めいたものを感じますね……。
炭酸煎餅

炭酸煎餅