こぅ

向かいの窓のこぅのレビュー・感想・評価

向かいの窓(2003年製作の映画)
4.0
【追悼 マッシモ・ジロッティ】。

フェルザン・オズペテク監督によるイタリア・
アカデミー賞主要4部門受賞の【ラブ(・ミステ
リー)】。

邦題に、ジャケ写の2人に、イタリア産に、
そして、「あなたを見たい あなたに触れたい
そして私は、生きたい」のキャッチコピーに食指が
動かない訳が無かった作品。

子育てと仕事に追われるジョヴァンナ(ジョヴァンナ・メッゾジョルノ)は、菓子職人になりたいという夢に近づく事も出来ず、向かいの家に住む魅力的なロレンツォ(ラウル・ボヴァ)を眺める事が密かな楽しみだった。ある日、ジョヴァンナはシモーネ(マッシモ・ジロッティ)という老人に出会う…。

【仕立て屋の恋】女性版⁈みたいな趣あれど、、
あれ程アクは強く無い。

’43年、冒頭から予想に反した事件が展開されるが
、舞台は数十年後の現代へ。

老人シモーネの記憶の断片が、幻覚や回想で徐々に
露わになってくる。
グルグル回りながらのカメラワークの中の演出が
巧い。
脚本は、観る者に早くから全て見せちゃうようで、
ちゃんと【核】は残してあるから面白い。
それは、ジョヴァンナとロレンツォのラブ・パート
でも然りだ。

老人シモーネの◯恋の◯念という見方次第では、
一見ミステリー仕立てではあるが、全編を貫くのは、
ラブ・ストーリーと捉えられそうだ←捻り。

最初は老人シモーネを嫌っていたジョヴァンナも、
有る意外な出来事から友好的に【変化】する。

半ば前、老人シモーネとの交差あっての2人の
向かい窓越しの電話シークエンスは、ベストな見所。

半ば過ぎ、ついにロレンツォの部屋で2人の爆発
クライマックスか⁈ん⁈⁈即終了。
向かいの窓(自分の 部屋)に◯◯が見える、、。

終盤、ずっと引っ張っていた冒頭シークエンスの
【謎】が明かされるが、この意外なアッサリ感の
演出は、メインとのバランスを考慮すれば妥当なの
だろうか⁈⁈

ロレンツォは、念願の出世とジョヴァンナどっちを
取るか⁈クライマックスは、少し意固地になって
いたジョヴァンナが走り出す、が、、、


一区切りした後のラストは、ジョヴァンナの
ロレンツォに宛てた【手紙】と共に、、◯望と◯滅
が見える。

オルガ嬢並にセクシーだったジョヴァンナ嬢。
ムードある劇伴、全編メリハリの効いたカメラ
ワークも光っていた。

やはりしっとりしたイタリアの街並と何処までも
続く石畳は良い。
こぅ

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