こぅ

ザ・ハント ナチスに狙われた男のこぅのレビュー・感想・評価

-
「俺を助けてくれる人は 誰もが命懸けだ
俺のせいで殺されたかも
つらいのは それを知らないことだ」

逃亡/脱走 実話アクション 怒涛の③連チャンの①

【ジュエルに気をつけろ!】のハラルド・ズワルト監督による、
実話ベースのノルウェー産、【戦争・逃亡アクション】。


ナチスに支配されていた1943年のノルウェー。
ナチスの抵抗勢力として活動していた12人の工作員は、1人を残して処刑された。
生き残ったヤン(トーマス・グルスタッド)は、ナチスの追跡から逃れる為、スウェーデン国境を目指すが、極寒の雪山での逃走は 死以上 の苦しみが待っていた、、
ナチス将校のクルト・シュターゲ(ジョナサン・リース=マイヤーズ)は、ヤンを捕らえる為、広大な山を包囲し、執念深く追跡する。
最早、ヤンに逃げ場は残されていなかった…。


★脚本
アヴァンタイトル、
1940年、ヒトラーは、ノルウェー帝国を築く。
スコットランド、1943年。
マーティン・レッド作戦、3月24日始動。
12人の工作員の任務は、ドイツ軍の航空管制塔の破壊。

ヤン中尉の報告書提出シークエンスから回想に入る。
前置きを極力端折って、本編/本題に入るので没入出来る。

雪山と氷点下の海を渡るからこそ映画になるシチュエーション。

国境越え目指すヤンとドイツ軍の執拗な追跡が交互に描かれるが、ヤンが1人で逃げ/戦うというより、常時、民間人の命懸けの 温かいサポート/やり取り は、リアリティに欠けるほどだ。
その中で、後に繋がる 恋愛感情 みたいなのは不必要。

お決まりの
集団射殺シークエンスは、情け容赦なくサラッと済まされるだけに怖〜。

ヤンとクルト/ドイツ軍、
常に離れているのではなく、寧ろかなり接近/隣り合わせなシークエンスが続き、ドキハラを煽る。
2人が、直接対面するところもあるが、これがまんま実話なら、クルトは冷徹だが、捜索に於いて、今まで取り逃した逃亡者は1人もいないという経歴の割に 甘いというか、抜けている 印象を受けた。

クライマックス、
ダブルによる、怒涛の畳み掛けドキハラ展開は、これぞ映画的脚色で上手い!
息を呑む、
絶体絶命〜のラストの ほっこり奇跡 はマジか⁈と、誰もが疑う事だろう。


締めは、
冒頭に繋ぐ。
メインキャストの その後 がテロップで出てくる。


★総評
全てが、
[フィクション]に見えるほど上出来な逃亡サスペンスの、良くも悪くも誰もが楽しめる今風 一級エンタメ優等生‼︎

約2ヶ月間の逃亡劇をザッと2時間枠の あくまでエンタメ映画 として仕上げるには、ご都合主義/脚色も仕方あるまい。

ドラマ性は、
冷徹やヘヴィよりも、人情味 にスポットを充てていて温かく、後味も悪く無い。

久々、
笑わない冷徹クールな将校役のジョナサンが見れる
(そんな彼をカッコ良い!と見るのは不謹慎だが)。
こぅ

こぅ