"あなたは完璧すぎた"
"統一されたインテリアみたいに"
上流階級の裕福な家庭が崩壊していくさまを音楽を一切排して静謐なタッチで描いた作品。
インテリアデザイナーで完璧主義者の母親。
突然、妻との別居を提案する資産家の父親。
すでに独立したがそれぞれ仕事やパートナーとの問題を抱える娘たち。
完璧であるが故に脆く崩れやすいセンシティブな内面。
才能の違いで変わる母親からの愛情。
姉妹同士の嫉妬や憎しみ。
美しく整えられたアンティーク家具とは対照的な歪んだ心理と家族関係が荒波のように渦巻くが、その波が引いた後は恐ろしいほどの静寂と虚無が訪れる。
ベルイマンにオマージュを捧げているがどこかハネケの匂いも少し感じた。
このシリアスさはウディアレンの中では異色かもしれないが個人的にはこちらの方が好みでした。