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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのhamaのレビュー・感想・評価

3.7
監督の趣味全開で原作者に「今でも1番嫌い」とまで言わせたが、熱狂的なファンが一定数いる珍しい作品。

世界観が「何でもあり」で無神経なキャラが多い"うる星"を上手く活用した作品だけど、ファン目線では確かに原作クラッシャーだった。
1番の原作無視は、最終回まで「好き」だと言わなかったあたるにラムの最後のセリフ「一生かけて(好きと)言わせてみせるっちゃ」→ あたる「いまわの際で言ってやる」( = 死ぬまで一緒、と暗示する超ツンデレプロポーズ)の名シーンの価値を下げてる点。
スラムダンクで例えると、流川と花道のハイタッチを安売りしてしまったようなもの。

一方でただのアニメ映画として観るなら、コアな人を魅了する世界観や演出が沢山あった。
序盤は学園祭ということで、画面で沢山かつ多彩なコスプレや人形がゴチャゴチャ動いてて楽しい。
他にも家に帰れない不気味な演出、キレイな水面の描写、妙に印象に残る歯磨きシーン…とアニメのレベルはかなり高い。
セリフ回しも好き。
序盤しのぶの「ある人がある人を気にして…」や、中盤メガネの独白、サクラ先生のくどい日本語の手紙…etc。
作中の視点がサクラ先生→メガネ→サクラ先生→アタル
と変わっていくのも面白かった。

個人的にはサクラ先生の声優が下手すぎる方が気になった。
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