merrydeer

リトル・ミス・サンシャインのmerrydeerのレビュー・感想・評価

3.8
ニューメキシコ州に住む7歳の少女オリーヴがカリフォルニア州で開催される美少女コンテストに参加するため、諸々の事情で一家揃って大分ガタが来てるワーゲンのマイクロバスで800マイルの旅をするロードムービー。
同乗者はオリーヴを応援する母親シェリル、とある事情で自殺未遂を起こしたため同居する事となったシェリルの兄マルセル、シェリルの夫で自己啓発系講師(と思われる)の父親リチャード(マイクロバスの運転手)、ヘロイン使用で老人ホームを追い出された祖父エドウィン、テストパイロット志望で願掛けで言葉を発さない兄ドウェーン、という中々個性強めなラインナップです。

そんな訳で、マイクロバスの車両トラブルを始め、家族それぞれが抱える不安や悩みに関連したアクシデント等、余り幸先の良い雰囲気でないイベントが次々と襲来しますが、所々パワープレイも飛び出す強烈な勢いで目的地まで向かう姿は何ともたくましい。笑

時にはしょぼくれ、苛立ち、傷付きながらも、やっぱり家族なので、互いに寄り添い、支え合い、気付いたら前を向いている。
基本、ネガティブな出来事も必要以上にしんみりとシリアスに描くのではなく、あくまでも笑いに転換する見せ方が何とも愛おしい。

ガッツリ笑える展開が繰り広げられながらも、鋭く胸に刺さる言葉や振る舞いもあって、もう、笑えるやら泣けてくるやら…。
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