【世の中を知らない人間なら】
伊坂幸太郎の小説を中村義洋監督が映画化したもの。
私は原作は未読だが、あえて嫌われそうな言い方をするならば、世の中のことをろくに知らない人間にはほどほど面白く感じられるかもしれないが、多少なりとも現実を知っている人間からすると、冗談じゃないよ、と言いたくなる映画である。
ネタバレになるから詳しいことは書けないけど、比喩的に表現すると、誰でもちょんまげさえつければ武士になれるとか、きれいな服さえ着れば誰でもスターになれるとか、日本の若者の悩みは世界中の若者と共通なんだとか、そういうことを信じられる人にしかこういう映画は通用しないだろうな、ということです。