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バグダッドの盗賊のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

バグダッドの盗賊(1924年製作の映画)
3.4
No.24[お遣いクエストとラスト・ミニッツ・レスキュー、サイレント痛快剣戟映画] 69点

グリフィスが作り上げた"ラスト・ミニッツ・レスキュー"の文法に則った古典的な剣戟映画であり、元祖アクション俳優であるフェアバンクスの魅力が爆発した映画でもある。最近サイレントのブロックバスター映画ばかり見ている気もするが、私が残していただけだから気にしないで。

バグダッドを根城にする盗賊アーメッドはアクロバティックに色々くすねるが、城に忍び込んだ際、王女に惚れてしまう。彼女の婚約者としてペルシャの王子、インドの王、モンゴルの皇帝がやってくる。四人目の婚約者として城に乗り込んだアーメッドは王女に惚れられる。身分がバレて彼は追放されるが、彼に恋い焦がれる王女は"七ヶ月後に最も貴重な宝を持ってきた者と婚約する"と発表し、アーメッドのお遣いクエストが始まる。

掴みとして重要な冒頭のシーンは、アクション俳優であるフェアバンクスの持ち味を活かした非常にアクロバティックな映像になっていて好ましい。そこらへんはウォルシュ演出というより製作までやっていたフェアバンクスの演出の賜物といったところか。セットもセシル・ビートンという美術家が協力しているらしくハリウッド・バビロン並のバグダッドの街並みを再現している(メンジースかと思ったけど彼はパウエル版だったね)。個人的にお気に入りなのは、やはり絨毯で空飛ぶのシーンと種蒔いて願ったものが出てくるシーン。

『アラビアン・ナイト』を原作としているらしいが、ジーニーは出てこない。若干期待してたんだけどなぁ…

個人的には同じ様な世界観であれば「アクメッド王子の冒険」をお薦めする。
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