みんと

越境者のみんとのレビュー・感想・評価

越境者(1950年製作の映画)
4.0
フェデリコ・フェリーニ脚本、ピエトロ・ジェルミ監督のネオレアリズモの社会派作品。

鉱山閉鎖に伴い仕事を求めてシチリアからフランスへと越境する人達のお話。
いわゆるロードームービーとは言えワクワク感は微塵もなくて過酷さを極めたものだった。

個性的な登場人物達の人物描写、人間模様が繊細に描かれていて見応えがあった。
とりわけシルヴァーナ・マンガーノに匹敵するくらいダイナマイトボディのエレナ・ヴァルティのミステリアスさが効いてた。
また、トラックを追いかけるあのシーンはロッセリーニ監督『無防備都市』とオーバーラップした。

度重なる困難に見舞われ、次々と脱落者が出る中 たどり着いたラストは、更にその後を思うと前途多難には違いない。けれど、セリフを排除して表情の切り替えを重ねた先で子供の笑顔がもたらした希望に漸く救われた気がした。
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