〝猿人間が支配する恐怖の惑星の秘密は⁉︎230光年のかなたの大宇宙スペクタクル!〟
時代を感じるキャッチコピーだ。
高校生くらいの時に観たが、有名すぎるラストくらいしか覚えておらず、新作公開も控えているので再観賞。
今観ると、猿の特殊メイクが思いのほかリアルで違和感がない。
初めて猿が出てくるシーンは音楽も相まって強烈な印象を残す。遠目には人に見えるのに近くで見ると…という映像的な驚きが効いている。
観ているうちに、ラストシーン以外にも覚えていることがあったことを再確認した。
主人公が去勢させられそうになるシーンだ。
これは子供の時でも強烈に印象に残るセリフだった。
そして、逃げだそうとしてもどこにでも猿がいる絶望感…からのあの叫び。
人間と動物の立場が逆転したシチュエーションを残酷なまでに客観的に描いているのがすごい。
つらいけど、怖いものみたさで続きが気になって仕方ない。
話は後半から思いもよらなかった展開へ。
バチバチにバトるわけでもなく、猿とは?人間とは?という各々のアイデンティティを守るための論戦に突入していく。
聞きたくない人間側の主張に対して、猿の裁判官が見ザル言わザル聞かザルしてるシーンに思わず笑ってしまった。
そして、ラストシーン。
あの嫌なやつだと思っていた猿は、きっと猿の中でもめちゃくちゃ賢いやつで、多分猿にとっては英雄なんだろうな…。
有名なラストシーンだが、改めて観ても威力抜群。開いた口が塞がらない…。
この映画のすごいところは、人間と猿の立場を逆転して見せることで、強者が弱者にしてきたことの残酷さや愚かさが浮き彫りになるところだと思う。
そして、それは人間と動物だけではなく、人間同士でも当てはまるのかも知れない…と思うと、日々の自分の行いすら「これでいいのか?」と考えてしまう。
扱っているテーマが根深すぎるのですぐに身の回りの何かを変えるのは難しいが、自分の行いを客観視することは常々意識していきたいと思う。