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ゾディアックのhikarouchのレビュー・感想・評価

ゾディアック(2006年製作の映画)
4.3
え、面白いじゃん?ちゃんとフィンチャークオリティじゃん?

初見時はまだぼく自身が未熟で、この映画をよく理解できていなかった気がする。いま見るとめちゃくちゃ面白い。多分、それなりの人生経験とかリテラシーを求められるってことなのかも。単純に、登場人物が多いし名前や地名や日付など溢れかえる情報を処理するだけで大変で、登場人物の思考を追いかけるのもままならなかったんだろう。

のちの「マインドハンター」に似た雰囲気を感じる。

最後の着地も納得。これも初見時は、「そこで終わりかーーーい」ってなった気がするんだけど、それを分かった上でみれば、ちゃんと犯人は突き止めているし、この作り手なりの結論は提示されているんだよね。今回は全然モヤモヤしなくて、スッキリ。
最後のあの青年が最初の事件の被害者の男の子ってのも、初見時は分かってなかった気がするなー。

アイアンマン前のロバート・ダウニーJr.も良いし(途中から出番が減ったのは残念だった)、ジレンホールも、初めはらしからぬ爽やかな青年だったが、徐々にジレンホってきて、最後にはちゃんと目がバッキバキのいつものジレンホールになっていた。

指紋だの筆跡だの、”物的証拠”と言えどその信憑性にも限りがあるということは、とても大事な教訓だと思う。今で言うと、データかね。コロナだのワクチンだの、一般庶民が様々なデータを鬼の首を取ったように引用して自説を振りまいているけれど、そのデータの信憑性を突き詰められている人がどれだけいることやら。
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