Toineの感想文

扉の陰の秘密のToineの感想文のレビュー・感想・評価

扉の陰の秘密(1948年製作の映画)
4.2
【誰でも心に闇の扉を隠し持っている】
ダリオ・アルジェント監督の「サスペリア(1977)」にインスピレーションを与えた古典映画とのことで爆速でディスクを購入いたしました。
あの「メトロポリス(1926)」のフリッツ・ラング監督作品なので観る前から期待値が半端なかったです。
どきどき。

アルジェント監督が影響された作品なのでジャッロ的な要素があるのかと思っていましたがゴシックスリラー風味のノワールといったジャンルでした。
しかもヒッチコック監督みも強い。
勿論わたくしの大好物です♬

ロマンチックで情熱的な運命の出逢いから始まる本作。
掴みはばっちりでございます。
出会って早々にお相手を良く知らないまま電撃結婚する主人公シリアさん。
そんな思い切った人生の選択を「扉を開ける」と表現する。
それが後々の物語の鍵になっているのが非常に面白いです。

監督の通常運転で例によって光と影の使い方が素晴らしくて画がバキバキにキマっています。
目が幸せでした。
照明効果で結婚式での夫が不気味に見える。
そして新婚生活早々、懐疑的な言動が目立つ夫。
この人は何者なんだろうか?
だんだん不安になるシリアさん。

中盤で明かされた夫の秘密。
私含めホラー好きの人達からは支持が得られそうなご趣味でした。
素敵な価値観の持ち主ですこと。
シリアさんはドン引きでしたけれど需要と供給は必ずある訳で。
私とお友達になって下さい♡←←

夫の趣味の他にも隠された秘密がありそれが明らかになって行く快感。
身近な人、大好きな人がどんな秘密や闇を抱えているかなんて端から見たら分からない。
何でも知ってるつもりだったのに思いも寄らない人物だった。
そんな怖さが堪能できて凄く好みの作品でした。
おすすめでございます。