KnightsofOdessa

ロイドのスピーディーのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ロイドのスピーディー(1928年製作の映画)
4.0
[若者をボコボコにする商店街の老人たち] 80点

キートンのダイナミズムとチャップリンの感傷の混ぜ合わせという印象を常々受けるロイドだが、本作品はその作品群の中でも傑出している。前半部分の遊園地も『都会の哀愁』ばりに不思議なアトラクションが詰まっていて、かつ『キートンのカメラマン』ばりに生物が活躍する。そして、古い鉄道馬車を取られかけている恋人の祖父を助ける後半部分は、商店街の親方たちがアイロンに義足に麺棒にとそれぞれの仕事道具を駆使して屈強な男たちをボコボコにしていくという凄まじさに笑えてくる。

ロイド作品にありがちな人物の設定(本作品では野球好き)が本筋を最後まで邪魔するという嫌いな展開が少なめだったのも良い。ベーブ・ルースが本人として登場し、ロイドの危険運転にヒヤヒヤしているのが可愛い。

『巨人征服』『福の神』と並んで、ロイドベスト。
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