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フェリーニのアマルコルドのmhのレビュー・感想・評価

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)
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1939年(?)、イタリア北部の町(リミニ)が舞台の群像劇。
子ども時代のフェデリコ・フェリーニが体験したことを幻想的散文的にまとめているので、後年の映画タビアーニ兄弟の「カオス・シチリア物語」にコンセプトと雰囲気が似ている。
後者を先に見てしまったせいで、比べてしまう病が発生してしまったのが良くなかった。主人公もなく、まとまりもない話に、あまりのめりこめなかったのだった。
巨匠がメガホンを握るときは詰めが甘くても映画製作にもGOが出る。そのなかには観客に忖度を求めてくるものが多くて、これもそのひとつような気がしてしまったのだった。
そうか、「青春群像」のエピソードゼロ的に位置づけて見たら良かったのか。アプローチを完全に失敗してしまった。
たっしょんするのにファスナー下げないとか、色情狂の女とか、伏線として回収もされないプロットがいくつもあって、それらが夢の中にいるような効果をもたらしている。
黒シャツ隊のくだりが面白かった。共産主義者たちが声を合わせるあの曲は「インターナショナル」というのだね。春の訪れを告げる綿毛のくだりも良かったなぁ。「グラデュエーター」でも説明抜きで飛んでたけど、そういやあれもローマだもんな。
思い返しながらググりながらこれ書いているうちに、じわじわくるものがある。さすが巨匠の名作といったところか。
面白かった!
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