噂通りの怪作だった……。
これを"横溝正史ワールド"かというとやっぱり違うし(そもそもミステリーかどうかも怪しいし……)、かといってなんか間違ってるとか失敗作だとも言い切れない、怨念と因縁が渦巻く、伝奇ものじみた現代怪談映画としてなにか目の離せないものがある作品だったように思います。
(個人的にはよく言われる「ホラー」というくくりも微妙に違うような感じ)
他のを見慣れていると渥美清が金田一ぃ??となる配役ですが(服装も夏物の上下に開襟シャツと麦わら帽子、とラフな着こなしながらも完全に洋装ですし)、色々お近付きになりたくない感じの人々がひしめく中で希少な「普通の人」枠としてホッとさせる役割を担っていたように感じられました。脇役かな?というくらいに出番少ないですし、終盤「金田一さん何言ってるの!?」と言いたくなるような事を言いだしたりもするんですが。(探偵役なのに)
あとトラウマものとよく言われる津山三十人殺しモチーフの例のシーンですが、私の記憶に残っていたシーンも今回確かめた所やっぱり本作のものだったので、私もしっかりトラウマになっていたようですねw
金田一もの、横溝ものとしては大分……かなり?の異色作だと思われますが、見所も多い作品だと思いますので観ておいてもいい映画なのではないでしょうか。