ぐら

嫌われ松子の一生のぐらのレビュー・感想・評価

嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)
3.5
「来る」「パコと魔法の絵本」の監督関連で見つけて鑑賞

ただただつらい現実をポップすぎるくらいポップに描いた映画。
結論からスタートする構成とポップな音楽はすごくいいんやけど、どうしてもポップすぎる色彩、強すぎる原色の赤や黄色、ばちばちの白飛びしてる明るすぎなシーンは目が痛くなるしんどさがある。

表現方法と内容の落差がおもしろいんやとおもうけど、色彩ばちばちのくそポップにしてても尚、ストーリーの辛さを流しきれなくて、終始しんど、、、、という気持ち。
ある意味不思議な気持ちになれる新鮮な作品かもしれない。

留置所の起きるシーン好き
留置所や夜職の、暗くなりがちな部分があんなに明るくポップなところはすごい

こんな波瀾万丈すぎる人生は流石になくとも、ひとつひとつの事象は誰にでもあり得る話で、タイミングやディスコミュニケーションから生まれるありがちなこと。
「来る」の時もそうだったけど、ディスコミニケーションが原因で悲劇が起こる部分が毎回さらっと仕込まれている気がする。

些細なことがきっかけになる、それが全てな感じの映画だった。松子の死に方を見て、見ている間に感じていたモヤモヤしたものが全て繋がって、そこに落ち着いたような気がする。


パコの魔法の絵本のポップさと色使いもこんなだった気がする。もう少しまろやかだったと思うけど。この監督が作る映画は基本ポップになるのか?
そう思うと「来る」のポップさは大分現代的な色味にや表現に落ち着きつつ今の時代のポップさになっててすごいなーと思った。
時代と作品に合わせた表現と自分の色がうまく作品に取り込まれている感じがする。

不快になったり、辛くなってしまったり、恥ずかしくなってしまったり、見ている人の感情コントロールするのが上手。
ホラーテイストの映画を作る人は、人を不快にさせる表現が上手い。
ぐら

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