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かくしごとのUUUのレビュー・感想・評価

かくしごと(2024年製作の映画)
4.3
「認知症は救いなのかもしれない。」
ミステリー作家が描く感動作!そのかくしごとは罪か愛か?

▼あらすじ
作家の千紗子は父が認知症を発症し、介護のために田舎に帰る。ある事故により記憶喪失の少年と一緒に暮らすことになるが、千佐子は少年に自分が母だと嘘をつく。歪な3人の共同生活が始まる。

▼感想
完成披露試写会に招待頂きました!ありがとうございました!

すごい映画を観た。
「認知症患者」、「児童虐待」という現代社会の2つの課題、問題を扱った感動作だった!

特に自分は「認知症患者」について考えさせられた。
千佐子と認知症患者の父の生活はリアルすぎて少し苦しかった。だけど、千佐子と村のお医者さんが認知症患者について語るシーンは忘れられない。自分の親がもし認知症になったら、この映画をもう一度見てから向き合おうと決めた。

この映画のすごいところはただの感動的なヒューマンドラマでなく、ミステリー要素も上手く盛り込まれているところ!原作小説の「嘘」はミステリー作家が描く感動作と言われているが、まさにその通りだと思った。ミステリー映画好きにも楽しめる作品!

主演の杏の演技は特に「顔」が印象的だった。物語冒頭は独身のキャリアウーマンのような顔つきが、徐々に母親の顔つきになっていった。トークショーで杏が「今の私だから演じれた。」とおっしゃっていたが、その意味を演技を通して確かに感じた。自分の杏の代表作品はこの映画になった。

試写会後はなんと関根監督とお話しする時間が!だけど、緊張と鑑賞直後で気持ちが整理できていなくて全然感想を伝えられなかった。
このレビューがいつか関根監督に見てもらえるといいな。

▼お気に入りのシーン
初めて千佐子が息子を抱きしめるシーン!
このシーンで千佐子の顔が母親の顔になった。
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