きっと猫

正義の行方のきっと猫のネタバレレビュー・内容・結末

正義の行方(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

恥ずかしながらこの事件を初めて知ったので色々予習して観に行った。全然生まれてすらない。

事件当時、前線で捜査に当たった警察官と弁護士、西日本記者、元死刑囚遺族からなる秀逸な構成。
前半は警察官の言葉を多く取り出しているので「絶対に犯人に違いない」と思うし、その後の弁護士と記者からは「冤罪だ、司法が判断を間違えたに違いない」と思えてくる。
ほかの死刑囚を追い越して行われた死刑執行は、警察官の言っていたような「このような犯罪者を生かしていては再犯に通じる」よりも司法に黙らされたように感じる。

警察官の「はやくやめたいからすれすれの捜査をする」という言葉が恐ろしい。
これは偏見だけど、検察も弁護士もどちらが裁判官の心を動かすか、に重きを置いていそうでそこに正義はない。
0か100の世界にいなくて良かったと心底思う。

最近観た『殺人鬼の証明』でも警察官が犯人をでっち上げていたし、ドラマ『アスンタ・バステラ事件』での恐らく犯人だとされていた両親は証拠不十分で真相は闇の中だった。
警察上層部が真っ黒なのはドラマや小説の中だけではなさそう。

検察と警察からも、他社との情報合戦という私欲のために情報をリードさせた記者からも、覆らないでくれという思いが伝わってきてしんどかった。
弁護士はすぐに再審の要求を出来なかったと言っていたけど、こういった「真実の追求」は事が落ち着いてから激化するのは何故なんだろう。やはり渦中にいては分からないものなのだろうか。

"性的ないたずら"っていう表現なくならないかなあ
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