EnzoUkai

ストップ・メイキング・センス 4KレストアのEnzoUkaiのレビュー・感想・評価

4.9
公開日が2日の金曜日。それで本日が7日の水曜日。それでも映画館に辿り着いた時には「やっと観られる」ってくらいに待った感じがあった。この5日間が長かったこと長かったこと。
と言うか、昨年突如YouTubeに現れたA24による予告編を見た瞬間から待ち望んでいた。
何だ?何だ?4K?レストア?ん?ん?
IMAX!!!!????
そして、9月の鳴物入りの全米プレミア公開からずっとずっとずっと待ってた!
リマスターされたサントラもSpotifyに上がり繰り返しリピート。
先週は『アメリカンユートピア』のリバイバルで気持ちを盛り上げて、今日に臨んだ。

別のところで、私と『ストップメイキングセンス』については書いてしまったから、もう敢えてここには書かない。どれだけ好きなライブ映画かと言うと、この映画が好き過ぎて『アメリカンユートピア』のここでの星がかなり低くなってる。
(まぁこれには福岡で最初に見た上映館の音がしょぼ過ぎたのがかなり影響されてて、その後増幅された音響で別の映画館がかけてくれて『アメリカンユートピア』はめでたく正当に評価できてる)

とにかく今回はIMAXで観ることができた。高音質高画像、この映画は視聴環境が良ければ最高の音楽体験になるということはもう既習しており、IMAX体験は正にこの映画の為にあるような上映形式だ。
しかも、平日の夕方の上映、実は私と嫁さん二人きりの客入り。立って踊りこそはしなかったが、本当に声出しでシンガロング!。椅子もギシギシ言わせながら身体をかなり揺らしまくった。そして、曲が終われば手を叩き、雄叫びだけは上げまいとかなり我慢した。
ま、いわゆるやりたい放題ってやつ。

でも、本心を言わせてもらうと、大人しく座るしかない状態でも、多くの人と見たかった。IMAXの大音響、多少身体を揺すってもちょっと囁き声でシンガロングしても横の人は気にしないと思うし、何なら画面の中の観客みたいに曲が終わるたびに拍手をしても構わないと思う。そんな雰囲気で次いつ観られるだろうか?
(boidの爆音映画祭でやってくれるくらいしか期待できないよ)

レビューとしてこの映画のことを知らない人、映画どころかトーキングヘッズを知らない人の為に書くのなら、世の中に数多ある音楽ライブの映像の中でも屈指の映像であること。もっと言うなら、屈指のライブであること。
映画公開時でもそうだが、況してや彼らのデビュー時は、彼らのアヴァンギャルド性の方が先走ってた。世間一般からは凸がったバンド、凸がった映像として受け止められてたのが、今聴くと、今見ると、その音数の多さと複雑さは統合性を持ってまとまってるのが現代的で、ドラマティカルな曲の構成なんて今のミュージシャン達が好んでやってる。また、こんなに上手くて良いのって言いたくなるくらいに完璧なアンサンブルにも古臭さが微塵も感じさせられない。もちろん同期なんて使っていない。

「時代がやっと追いついた」
って台詞は彼らとプリンスの為にある。

と言うことは、今の時代の君たちこそ、聴いてみて、観るべき映画!

ほんと、あの当時、間違いなくデビッドバーンは奇人扱いされてたけど、あの雰囲気を知らない世代なら素直にカッコいいと思えるはず。
今、いつの世にも増して洋楽が聴かれてないらしいが、King Gnuをカッコいいと思えるなら間違いなくノックアウトされるはず。あとはサカナクションとか聴いてる人たちもそうかも。または、TENDREやSTUTSとかオシャレ系の人たちも。あ、セカイノオワリとか、もうちょい若返らせてミセスグリーンアップル好きな人たちも見てください。

とにかく、バンド好きは皆んな観て!!

IMAX上映はあと一週間、劇場に急げ!

私も後一回IMAXに観に行くつもり。

プリンスの名前を挙げてしまったから、この映画の次に期待したいのが『サインオブザタイムズ』4KレストアIMAX仕様!
EnzoUkai

EnzoUkai