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ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.9
劇場版、観た。これで野生的な“彼”が完結。

本当は先週の公開日に行っても良かったが、まさかの近くの劇場に“彼”がやってきて、握手できる回があるらしい、ということで1週間我慢してそっちを選択。

“彼”、他のウルトラマンと違って野生的で異色でミステリアスな雰囲気を醸し出す。
TVシリーズでも“SKaRD”達と意思を持って共闘はするものの、彼の行動指針やテンション、動機、そして、性格や出自など、なかなかにミステリアス。

“彼”と運命共同体的に変身する“SKaRD”のゲント隊長も“彼”と会話らしい会話もなく、“通じ合っていく”感じ。
だから必殺技や武器の名前も劇中で言うほど明言されない。

なんならおもちゃが発売されて、「それってそう言う名前なのか」とか「そう言う使い方、効果があるのか」みたいなことがわかったりする。
それぐらい謎めいてる。

説明不足とも言えるが、そもそもウルトラマン、光の巨人は人類が理解できる存在ではない。
人類と共に歩み、寄り添ってくれる存在ではあるが、とはいえ、その全てを向こうから情報開示してくれるとは限らない。

なぜなら、ウルトラマンとは、“人類の営みの選択に介入しない”存在だから。
常に、人類が選択することを尊重し、それが難しいとなった時、手を借りたい時、如何ともし難い時、少し方向を誤った時、、、そっと手を貸す、背中を押すのが“彼ら”だから。

ブレーザーに変身するゲント隊長はシリーズ初の“父親”。妻がいて子供がいる。
今回の劇場版もゲント隊長の家族の話題や、新たなエピソードにも親子の関係を入れてくる。

今までにない角度の物語。ウルトラマンが人類の家族、親子の物語の背中を押し、手を貸す、そんなエピソード。

冒頭にTV総集編でロールバックしたり、新エピソードも屋内や車内のシーンが多く、少しこじんまりしている感じはある。

だけど、そこから“首都激突”。
なぜそこから急に“首都”なのか、国会議事堂なのか、という理由がなかなか物語仕立てになっていて、納得感はある。

そして、その“首都激突”の戦いの迫力。
ブレーザーとアースガロン。いつしか相棒のような存在となったこの2体のキャラクターを通して、SKaRDが一丸となって立ち向かう姿勢がとても胸アツ。

地球に、人々に寄り添い、危機を救うという大義を、SKaRDやその家族に焦点を当てて、とても身近に、具体的に描くウルトラマン、それが“ブレーザー”。

“彼”自身の言葉は少なく謎多き存在だが、SKaRDやゲント隊長との信頼関係は観ててとても安心感があり、信頼しあってることがわかるからそれで良いのだ。

他のウルトラマンとの関係値がほぼほぼないので、ここから“ギャラファイ”とかより大きな話に登場していく場合、どう“彼”が絡んでいくのか、それはそれで楽しみ。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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