東京都杉並区在住の劇作家・演出家のぺヤンヌマキさん。
自身の暮らすアパートが道路拡張計画による立ち退きの対象であることが発覚。これを止める方法を調べていく中で、実際に活動する住民たちと出会い、来る区長選挙に向けて候補者擁立を模索していることを知ります。
そこで白羽の矢が立ったのが、NGO職員として世界の自治体を調査し、ヨーロッパから帰国したばかりの女性・岸本聡子だった。
この映画で冒頭に映し出されるのは、まさかの猫!! そして亀!!
それぞれぺヤンヌマキ監督で飼われてる子たちのようですが。
また岸本聡子さんの実家にも猫がいたり、それ以外にも猫が映ったり、なんなら猫柄の服も出てきたりして。まぁまぁな猫映画の側面もあります。
それ以外にもおばちゃんたちの どこかほのぼのしたやり取りが記録されていたり。独特の明るさや若干のユルさも表現されていて。
昨今 増えている選挙ドキュメンタリー映画とは一線を画す雰囲気を持っていて。
それもこれも、監督が女性であること、またガチガチの映画畑の人間ではないことにも由来するのかな。
映画は区長選挙の結果を受けた大団円で終わるかと思いきや。
いやいや、そこでラストじゃなかった!! このあとに もうひとつ、ひっくり返りそうになるような意外な展開が待っていた!!
「住民のチカラが区政を変えた」の さらにその先へ。
こんな痛快なエンディングはないですよ。これは東京の中の たったひとつの“区”で起きたことですが。
これができるのなら、もしかしたら“国”も“世界”も、できるんじゃないかと。そんな希望を抱かせる素晴らしいラストでありました。
そういった点も含めて、たいへん興味深く見ることのできた作品。とても面白かったです!!