結論言うなら、胸騒ぎどころか 普通に胸クソ悪いし。
たまに遭遇する「なんでお金出して こんな嫌な思いせなならんのじゃ…」と言いたくなるヤツでしたね。
映画の着地としては、ただただ救いのないBad End でありまして。
悲しいことではありますが、実際の社会でも 信じられないような惨い事件が報じられることもあります。
そういう場でも、こんな雰囲気になるのかな。誰が助けに来るはずもなく、何の選択肢も無いままに、ただただ生きたまま地獄に陥るだけで。
そんな想像にまで及んでしまいましたわ。
とは言え、映画としての 展開のさせ方はなかなか上手くて。
不穏さのグラデーションを 強めたり弱めたりは なかなか絶妙でしたし。
冒頭のウサちゃんのぬいぐるみを探すくだりも 後々意味を持ってきますし。
夜な夜な聞こえる風の音や 歯ブラシの音も 実に不快で。
反面、ガソリンの警告灯には「なんだよ」と思わされたり。
はなれの小屋に貼られた写真の数々も、今にして思えば…と。
緊張感を保って見入ってしまいましたね。
ちなみにこの映画の原題は「SPEAK NO EVIL」というもので。実際の訳としては“悪口を言わない”だったり「見ざる、聞かざる、言わざる」の“言わざる”ということのようです。
作中で 舌が無いのでしゃべることができない子どもが出てきまして。
そこにもつながるタイトルでもあり、他の家族のフィールドで、苦言を言わずに流してしまうことの是非のようなニュアンスがあるようですが。
一方の邦題は「胸騒ぎ」という 全く違うアプローチになっていますが。
原題のままでは 伝わりにくいところを、上手く表現したワードで、よくぞ思いついたなと感じます。
とにかく 気ぃ悪いのは確かですが、それだけ感情を揺さぶられたのは事実ですので。
軽々におススメはできませんが、リメイクも決まってるので、映画好きであれば見ておいても…ですね。