味噌のカツオ

青春18×2 君へと続く道の味噌のカツオのレビュー・感想・評価

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
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今から18年前、18歳当時の淡い恋心を抱えながら、旅をする映画。

藤井道人監督は社会問題に触れるような作品も多いですが、同時に青春を描いたものもいくつかありますね。
その どちらにも共通しているのは、決して甘くはない社会だったり、決して甘くはない青春…というべきか。

今作も 主人公であるジミーの過去はキラキラしてたり、ドキドキするようなものですが。
現在の彼は、大きな大きな喪失感を抱えてて。だからこそ、その思いと決別するためにも、前に進むためにも“旅”をする必要があったわけでしょうね。

作中、ジミーとアミが岩井俊二監督の『Love Letter』(1995年)を見に行くという場面があります。
二人の関係の中で エモさで言うなら“ランタン飛ばし”の方が上かもしれないけど。これはこれで大切な映画になったはずで。

もしかしたら 今現在、恋人の一歩手前だったり、まだ名前のついていないような関係性の二人が、この『青春18×2 ~』を見に行って。
その後がどうなるかはわからないけれど、時々この映画の事を思い出したりして。

ジミーとアミにとっての『Love Letter』のように、この映画が 誰かにとっての、人生の中の大切な一作になることもあるのかもしれないですね。
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