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異人たちのぱぷのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.3
果てしない孤独と喪失に向き合う白昼夢のような出来事 死んだ両親に会えたからといって、今の自分を手放しに受け入れてくれる訳では無いという無慈悲さと、それでも親は親なりに考え模索し我が子と向き合おうとする贖罪、誠意 親も時間をかけて子供と共に成長していく、その過程を奪われた彼らが彼らなりにその穴を埋めようとする誠実さが好きだ
「異人たちとの夏」とは違って、孤独、トラウマ、親との関係、性的志向、変化していく時代と価値観など様々な要素が「人を愛する」という一つの軸で繋がり構成された印象でとても繊細で情緒的
「SHERLOCK」から大好きなアンドリュー・スコットは人当たり良いが他者との線引き故の近寄り難さ、そして両親の前では子供の表情に戻る屈託さが切なく、ポール・メスカルの寂しく優しい眼差しは脳裏に焼き付いて離れない じんわりとあたたかい余韻が残る 我々は誰しもが「異人」であるが、それでもお互いを知ろうとして、向き合い、愛を知り、生きていく 失っても寂しいが虚しくは無い 心にあたたかいものが残る、愛おしい一作
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