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哀れなるものたちのsoopenのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
これって、Barbieのダークサイド版でしょうか⁇

ヨルゴス・ランティモス監督、お初作品でやられました。ほぼ前知識なく、なんだか面白そうなファンタジー映画?と踏み入れてしまった世界に、驚き翻弄され、久々のアゴかっくんでした。

架空の時代設定ながらも、ロンドン、パリ、アレキサンドリアなどの本物の地名に旅するベラ(エマストーン)。彼女は、マッドサイエンティストの手により、生まれ変わったばかりの生きることに興味津々な、何にも縛られない女…
知識ゼロから清濁分からずに全てを受け入れ、好奇心や欲望のままに生きる。生きることは行動すること。そして行動すれば自ずと社会にとっての女性の在り方や、貧富の格差という現状が見えてくる。

これは生まれたばかりの女性の成長記録。その中に珍妙なスパイスを大量に詰め込んで出来た、かなり斜め上方面の作品と思われます。
魚眼レンズで撮影したかのような室内の映像は、まるで双眼鏡で覗き見しているかのような様子だし、音楽は不安感を終始煽る不協和音。明らかに映像もファンタジックな世界観なのに、登場人物の生々しさといったら!全てがアンバランスなのに、上手く調和が取れている、ラストにあっと驚く捻りを入れて、おー怖っ!となった後でのエンドロール。これまた初めてな演出にドキドキしながら最後まで席を立てませんでした。

エマストーンもウィレムデフォーもスゴイ!としか言いようがありません。このシュールな世界観をゴールデングローブ賞は、ミュージカルコメディ部門で評価していますが、ミュージカル…コメディ…⁇なかなか謎です。
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