さよこ

リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシングのさよこのレビュー・感想・評価

4.6
【ドキュメンタリーの終盤に涙でた…😿】
楽しみすぎて公開初日に映画館で鑑賞✌

🎙全体の感想
リトル・リチャードの曲は大好きだけど彼のヒストリーを全然知らなかったので、こうして半生を知ることができてとても嬉しい。欲をいえばリトル・リチャードの曲やパフォーマンスしてる姿をもっと流して欲しかったくらい。

🎙元ネタ
一番好きな曲は「Lucille」で、二番目が「Tutti Frutti」なんだけど、リチャード本人が制作エピソードを語ってて、とても嬉しい反面、元ネタがまさかそういう歌詞だったとは😳という気持ちにもなり、大好きな曲の意外な一面を知ってちょっと笑ってしまった。

🎙時代と才能
彼が作り出したリズムや音楽が尽く白人に搾取され、彼の存在は透明化されていた。あたかも白人が生み出した曲のようにラジオに流れるのはとても屈辱だったと思う。そこでみんなが真似できないリズムで最高の曲を作ってやる!と才能でねじ伏せる姿が格好良すぎてますます好きになった。

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⚠️この先、ネタバレあります⚠️
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🎙印象に残った台詞
「一番大事なのは愛。自分の思うようには与えられたことがないんだ」
「軽口ばかり言うから存在が軽んじられる」
「みんなのことを開放したけど、そこに彼自身は含まれていなかったのよ」

🎙好きなシーン
授賞式のシーンは念願叶ってよかったね、ようやく報われたねって涙が出た。インタビューを受けていた音楽仲間もむせび泣いてて愛されてるなぁって。そのときのパフォーマンスも60才過ぎてるのに全然歌声が衰えてなくてめちゃ格好良かった。

🎙発想の柔軟さ
列車が通るリズムをバンドメンバーに聞かせて「このリズムでドラムを叩け」ていう指示は凄いの一言。そして口笛を吹いただけで黒人がリンチに遭う時代(※映画「TILL」参照)に、彼のパフォーマンスを観たくて黒人専用のクラブに肌の色も関係なく若者たちが集まるのも凄い。レコードで聴いても格好良いのに生歌なんてどれだけ凄いんだろう。想像もつかない。

🎙アンバランスさ
大勢の人たちと楽しんだ乱痴気パーティの明け方に聖書を読み耽るっていうアンバランスさが彼らしさを物語っていると思った。なんていうか不道徳と信仰心という一般的には両立しないものが彼のなかでは違和感なく並列に存在するというか、自分のなかでは矛盾した出来事ではないとしているところが彼らしいなって思った。そして信心深いから自分のセクシャリティも神に与えられたものだとしてポジティブに受け止められてたんだろうな。

🎙一途さ
音楽もそうだけど人生の岐路に立ったときに「神に仕える身になる」と決めて、ドラッグも音楽もばっさり辞めれるのも彼の特性をよく表していると思った。そのときやりたいと思ったことに迷いがないというか。きっと音楽じゃなくても、どの道に進んでも彼がやりたいと思ったことは叶えられる。そんな気がする。そのくらい生命力に満ち溢れている。

🎙カムバック
前述で「ばっさり辞めれる」と書いたけど結局カムバックするのも彼らしくていいなって思った。彼の人生は方向性が一転二転するんだけど、それは乱痴気騒ぎのあとの聖書と同じで、多面的な部分の一つでもあるからそれでいいんだよって思う。ファンの欲目かもしれないけどさ。

🎙残念な演出
リトル・リチャードの生い立ちを語るシーンの映像が、その時代の参考映像なのか本人なのかの見分けがつきにくかった。そしてここぞというときにダサダサな宇宙のCGとかが出てきて一気に萎えた。なにこれ平成初期のテレビ番組ですか…?そういう余計な手を加えなくて良いからLIVEシーンをもっと見せてくれ。

🎙その他、色々
・これだけ嫌なことがあってもドラッグにハマらないのえらいなって思った矢先にドラッグ始めちゃった。
・エルヴィスのあの曲そうだったのか…エルヴィスも好きだから楽曲の裏事情を知って哀しい…😿
・ビートルズ、ミックジャガー、デビットボウイ
・俺が創ったんだ、俺が創造したんだ
・どの写真も笑い方が一緒でキラキラしてる
・まるで才能が意思をもってるみたいに首根っ子を押さえる掴んでエンタメに引き戻してくる
・これだけ一大ムーブメントを起こしたアーティストでさえ敬虔なクリスチャンの社会になると彼のことを全く知らない人たちがいるのがすごい。そのまま結婚しちゃったから心は休まるかもしれないけど刺激足りなくない?大丈夫?といらぬ心配しちゃった。
・愛に溢れてて博愛主義の究極体って感じ🫶
・他にも似合うカツラあるかもよ☺️💦
・入場特典のポストカードGETだぜ🫶

余談:
父親がこの年代の音楽をよく流していて、そのなかでも自分はリトル・リチャードの曲が大好きだったので、こうしてアーティストとしての彼を知れてとても嬉しい。2022年に公開された「エルヴィス」みたいにこの年代で活躍したアーティストを描いた作品はたくさんあるけどリトル・リチャードはいつも端役でちょこっと出るくらいなので、待ちに待ったリトル・リチャードが主役の映画でとても楽しみにしてました。

エルヴィスのレビューにもエルヴィスそっちのけでリトル・リチャードのことを書いてます🫶
https://filmarks.com/movies/87675/reviews/136689298
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