味噌のカツオ

首の味噌のカツオのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
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わたくし自身、歴史は全く疎く。登場人物の名前こそ聞いたことはありますが、相関図も何をした人なのかも ひとつも知らないという無知さなのですが。
そんなわたくしでも物語を追えるぐらい、わかりやすいドラマでありました。

作品によっては主演の役者だけを映すような歴史モノもありますが。今作は出演者もバラエティに富んでいて、そのアクの強さも良いほうに出たのかな。
特に狂言回し的ポジションをお笑い畑であるキム兄が務めたのが 作品の空気をリードしていたように思いますし、(セリフはなくとも)アマレス兄弟も味ありましたね。

映像を見ていて、シンプルに衣装に小道具、舞台セットもロケも大変だろうなと。相当なコストがかかっていることは想像に難くなく。
また首を刎ねるシーンや刀が刺さる描写は、CGを駆使しているのでしょう。違和感ない表現になっていて驚かされると同時に、こちらもお金も時間もかかるんだろうなと感じた次第。

そんなこんなで ある意味では見やすい仕上がりと言えなくもないのですが。
反面、爆発力は乏しかったのかも。

史実に則ったことで展開の意外性は押さえることになるでしょう。
序盤から首をゴロゴロさせることで、終盤の首ゴロゴロのインパクトは薄れたような。いや、首なんて大したもんじゃない…という狙いであればそれはそれなんだけど。

あとチョイチョイ描かれるBL演出なんだけど。ホントに一部の設定でしかないし、なんなら攻めたラブシーンがあるわけでもないので、イマイチ必要性を感じなかったり。

それから“秀吉”たけしの暴走を(おそらく)アドリブで受けるシーンは 面白かったんだけど、ぶっちゃけ受け止めきれていないことの笑いになっちゃってるんよね。
それで言うなら『アナログ』の二宮和也・桐谷健太・浜野謙太のそれほど上手くいってるとは言えないかなと。

それらを踏まえたうえでのことですが、130分という尺が長く感じられた印象は残りますね。

これはこれでアリだし、つまらないわけではないけども。
お金と時間の割に、特段~というレベルではなかったと言いたくなっちゃうかな。

最後に、名古屋市民として感じたのは…
信長役の加瀬亮のセリフは昔のお年寄りが使ってた名古屋弁と遜色なく。あれは見事であり、懐かしさも覚えましたよ。
味噌のカツオ

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