Ayu

白鍵と黒鍵の間にのAyuのレビュー・感想・評価

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)
3.0
三連休の〆はジャズ好きの旦那さんと一緒に本作を。鑑賞後、彼の第一声が「変な映画だったね…?」だったのでおそらくだけど一般ウケは狙えないかもしれない。私も観ながら設定が腹落ちするまでなかなか混乱した。

銀座のキャバレーを舞台に、キャッチコピーのように現実と夢の中を彷徨っているような94分。池松壮亮による一人二役の演じ分けは見事だけど(発声と表情の固さで演じ分けるのはさすが)終盤はファンタジックな着地点に観客はぽつんと置いていかれるので(一瞬演出に「ミッドサマー」味を感じた)好き嫌い分かれそう。

何を考えているのか掴めそうで掴めない、時々詩人な”あいつ”役の森田剛はもちろん、個人的にはバンマスの三木さんを演じた高橋和也が良かった、にこやかな表情の裏に漂う虚しさと哀愁、そして見え隠れする冷徹さが上手い。仲里依紗があからさまにピアノを自身で弾いていないので、顔が映る部分は全て自分でこなしている池松壮亮との対比が少々辛い。エンドロールのオリジナル曲が耳に残る。
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