ShuheiTakahashi

コヴェナント/約束の救出のShuheiTakahashiのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
3.7
手に汗握る話。
…ではあるのだが、手放しでは賞賛できない。
なんかもやもやが残る。
それも良いもやもやではなく、嫌なもやもや。
なんだろう。
そもそもの話として、アフガニスタンに米軍が派遣されたこと自体に疑問があるし、勝手に来て、むちゃくちゃにして、勝手に去って。
ほっときっぱなし?

二人の絆?話としては良いかもしれないけど、そこまで2人が絆を深めた理由がいまいちしっくりこない。
恩義があるから助けに行くのはわかるとして、アーメッドがジョンを必死に100km運んだ理由はビザやアメリカでの生活の保障目当てでは?
それならそれでいいんだけども。
アーメッドは仕事を全うしただけで、ジョンをなんで命がけで救うんだ?
まあ、手押し車がはまって、中々動かなくて、泣いてしまうアーメッドの気持ちはめちゃくちゃわかった。
そして一息いれて進むしか無いことも。
アーメッドに救われたあとアメリカの病室なで気がつくジョン。
アーメッドがタリバンに狙われて隠れていることを知り、助けたくて色々と動く。
保留はいらいらするよねー。
所々小さなあるあるがあったり、ダサい台詞があったり。


銃撃戦シーンや、アクションシーン、爆発やカメラワークなど見どころもたくさんある。
エンドロール前の文で、未だに取り残され命を狙われ続けている通訳たちの現実が書かれる。
美談で終わらせてもいいのだろうか?
終わらせたくないからこの文を入れたのだろうが、映画の話的にはなんかしっくりこない。
なんかただ、入れときました感が否めない。
エンタメとしては楽しめるんだけど、エンタメとして消化したくない。
そう思わせているのはこの映画の力なのだろうか?
なんか違う気がする。

現地の人々の描かれ方は、一方的でないものを感じたが、そんなことは言われずともわかっている。
優しい人がいるのなんてどの国も当たり前。
タリバンの人たちはただの敵、なんか人間って感じではない。
良いようにやられてるだけに感じた。
この映画にその目線はいらないのかもしれないけど。
ShuheiTakahashi

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