脱北の途中で金正恩を崇め奉っていた80歳を超える女性が、自分が目の当たりにしていることと、今まで受けてきた教育との差に揺れ動く姿が忘れられない。
想像以上の現実がそこにはあった。
チェチェンへようこそでも思ったが。
私は、私たちは見殺しにし続けているのだなと感じた。
北朝鮮の存在は触らぬ神に祟りなしかのように扱われている。
北朝鮮では金日成は神様らしい。
金正日は神の子。
旧約聖書を基に作られた話。
金正恩は神の孫?
暴論だけれど、戦争や革命でも起こらない限り、北朝鮮はこのままだろうと思ってしまう。
同じような格好で同じ動きをさせ続けるマスゲーム。
統率、統治にはもってこいなのだろう。
創価学会でもマーチングが盛んだけれど、それと似たものを感じる。
宗教は平等に救うというのが多いが、平等というのは歪だ。
80歳の女性が金正恩元帥様は若いのに頑張ってらっしゃる、それなのに国が豊かにならないのは私たち国民がバカだからなのか、みたいなことを言っていた。
洗脳教育のむごさを知る。
子どもは国に対して疑念を抱いていたが、孫たちは思っていたとしても言えないのか本当にそう思っているのかわからないが、金正恩元帥様は素晴らしいと言っていた。
同じ目的のために、同じような格好で同じことをする。
平等かといえば、そうではない。
現実に苦しんでいる人々を知っても何もできない、知らないままのがいいのか、という言葉が残る。
韓国で暮らし始めた脱北者家族。
今、金正恩のことをどう思うのか知りたい。
この作品を観て、知った気になってはいけない。