ふと振り返ったとき、歩んできた道の跡にいろんな花が咲いてたらいいなと思った。
私はすぐ"蒸発"したがってしまう節がある。生活してると、居場所に根を張って自分の痕跡を積み重ねていくみたいなことへの息苦しさを感じたりする。もちろんひとつひとつの選択が自分を形作っているのは間違いないけれど、でもそれってプレッシャーや息苦しさではなくて、自立で自由なんだと爽やかに感じられる物語で、じんわり良かった。
つまらないのが現実で、面白いのが物語。結局これからも目の前に在り続けるのはつまらない方なのに、そこにフォーカスしないで「つまらない」と笑い話にする感覚が今っぽいなと思う。むしろ描かないことでアーサーとの物語が浮き彫りになっていたし、そういう引き算の演出が人生のちょっとしたスパイス♪的な軽やかさにつながっているのかもしれない。
不倫モノや浮気モノと同じ構造な気もするけど、それよりやっぱりこういうのが観たいし心地いいと思う。
