Lila

パスト ライブス/再会のLilaのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
3.3
アカデミー賞ノミネート作品祭りをしてるので、ここまできたらコンプリートまであとひと息です。

これは、アメリカに住んで外国人と結婚なりデートなりしたことある人なら、あるわー!!の連発です。冒頭の詮索とか、入国審査とか、旦那との会話とか、言語や文化の違いで少し距離を感じたりとか、もう何もかもがあるあるの連発です。特にアジア人ってところがミソなんですよね。見た目で白人社会に溶け込めない難しさ。監督の本人の経験あってこそのようですが、みんな同じ経験するのだなあとしみじみします。

というわけで、恋愛映画以前にニューヨークのダイバーシティで生き抜くアジア人女性の話の方が入ってきてしまったので、いまいち幼馴染の男性に感情移入できない始末でした。

旦那のアーサーが神がかってますが、アジア人と結婚する外国人は柔和な人が多くて、そういうイメージを表現したかったのかな?と。理解力抜群で、誠実で、愛情深いけれども、バリキャリとかではなくちょっとボーッとしたところも含めてあるあるでした。ニューヨーカーなアジア人女性は自立してて強いので、そういう相性になるのかなと思います。最後泣いてる自分を受け止めてくれるほどの深い愛情で包んでくれるのですから。

しかし、エンディングの間の使い方が凄い。アジアだなー。当本人は思い巡り過ぎてて気にならないのですが、第三者から見るとあんなにも沈黙の間であることを実感します。

しっとり大人な人間模様をニューヨークを背景にして描くっていう小説感のある映画でした。大人向けなのとスカッとはしないので好き嫌いはありそうです。

追記: 皆さんのレビュー読んで、最後の涙の解釈が色々あって面白いです。これが正に人生十色。私は、本当に母国である韓国を捨てて、アメリカで生きなければいけない覚悟の涙に感じました。結局、純韓国人には戻れない自分。昔彼に思えてた気持ちと変わってしまった自分。でも、彼の気持ちや存在はとても特別で、応えられる自分だったらどんな世界が待っていたかと想像してしまう自分。言葉では説明できない母国への愛情をどこか整理つけなければ、自分らしく生きられない葛藤。要は彼女の選択が何を導いたのか。自分らしく生きる事と自分の想いの乖離。最後まで、異国の多様性で生き抜く話かな?と捉えてました!
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