炭酸煎餅

機関獣/メカニック・モンスターの炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

3.8
武侠小説に現代的なエンタテイメント作品要素をプラスした雰囲気の中華アクション映画。
クソダサ邦題通り(?)にB級なのはB級なんですが、なかなか面白かったです。

中国・北宋の時代が舞台ながら、ゾイドみたいな怪獣型の巨大なからくり・機関獣(これ翻訳側で勝手に付けたのかと思ったら原語でも同じ字の中国読みでそのまま言ってるっぽい)や同じく機械仕掛けのニンジャみたいな動きでデザインもなかなかイカした刺客ロボットが物語のキーになってたり、事件調査の知恵袋ポジションになる技術者キャラがヒロイン役で萌え声の美少女だったり(公開当時で27歳らしいんですけど見えない……)と現代の漫画・アニメ的な趣向が盛り込まれており、ちょうどTwitterで出てきて「うん面白かった」となるWebマンガ誌の読み切り作品を読んだような味わいがありました。

なお本作は中国・台湾では「三国志演義」「水滸伝」並みに有名らしい「三侠五義(七侠五義)」という古典小説の世界がベースになっており、実は本場的には悪役まで含めて「皆さんおなじみの」な文脈にある作品だったらしいんですが(本作オリジナルらしいキャラも中国の伝説的な匠の直系という設定)、私はなーんも知らずに観ていても普通に楽しめていたので多分予備知識は無くても問題ないんじゃないかなと思います。
(エピローグ部分のくだりだけはちょっと「え、誰?」となるとは思いますが、まあ本筋には関係ないオマケみたいな所ですし……)

B級らしく予算の少なさや規模の小ささを感じる場面もありましたが、尺も短いですしまあ過度な期待がなければちょっとしたTVスペシャル的に楽しめる作品なんじゃないでしょうか。
炭酸煎餅

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