名倉

君たちはどう生きるかの名倉のレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.7

初めて映画館でジブリ作品を鑑賞しました。しかしそれが最初で最後にもなるかもしれないと思うとそれだけで自分は映画館で一人感動していました。


賛否両論ある今作ですが、結論から言うと自分はしっかり楽しめました。色んなジブリ作品のオマージュを感じる今作は、間違い探しの様な感覚で、「あ!このシーンは〇〇っぽい!」みたいな感じで、一つ一つのシーンを楽しむことが出来ました。


たくさんの濃ゆいキャラが出てくる中で、個人的には敵のインコ達が一番好きでした。ジブリはこういった敵キャラにも憎めない愛らしく思える要素をふんだんに入れてくるので、それが今回も遺憾無く発揮されていました。


今回鳥をメインに描いていたのは、最後ペリカン青キジインコがバーっと妄想世界の建物から解放される時に、あの世界の建物をドーム状に見立てて鳥篭をイメージし、鳥篭から鳥たちが自由に羽ばたいていく様子を想定して作られてるんだと気付いた時のクライマックスの感動が凄まじかったです。


そして、ヒロインの様な立場のキャラが存在しないというのがこの作品の特徴だと思います。ヒロイン的な立場には、眞人の母親が存在するので、恋愛要素の代わりに家族愛が代用で描かれているとてもユニークな設定だと思いました。



大叔父が、画面越しに私たちに直接メッセージを投げ掛けてくることが多く、「宮崎駿マジでこの作品に遺言的なの詰め込んでるなあ」ともはや笑ってしまいました。


ストーリーが分からない、テンポが悪いという意見もありますが、個人的にはジブリ作品にはテンポよりも、何もしていないシーンですら美しさや穏やかさを感じれるゆったりとした癒しを自分が求めているので、ポジティブにこの作品を楽しめたのはそういった所なのかなと思いました。


結果的には、本当に大満足で謎の多い要素もまだまだたくさんあるのでもう一回劇場に観に行きたいと思える素敵な作品でした。


カヘッ!!
名倉

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