炭酸煎餅

ガンズ・アンド・キラーズの炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

ガンズ・アンド・キラーズ(2023年製作の映画)
3.9
邦題やあらすじだと「父娘版トゥルー・グリット×ガンアクション復讐劇」みたいな話を想像させますが、観始めてみたらどうも主人公コルトン(ニコケ)が開幕からあまり真っ当な人物っぽくなくて、あれ、「許されざるもの」系なの……?と思ったらマカロニ的な導入展開もあるしでちょっと最初は方向性がよく分からなかったんですが、観終わってみると「キャラクター要素に現代的な設定(サイコパス的属性)を乗せつつも、"終わりゆくフロンティア"という時代を背景に描いたドラマ系西部劇」という感じの映画でした。

原題は「The Old Way」というみたいですが、自力救済(復讐)に出ようとする主人公に「ここはもう正式な州になり、合衆国の法が及ぶ土地になった。お前がやろうとしている事は今では犯罪だ。娘のことを考えろ」と諭す保安官(まあこの人はこの人でなんか色々緩くて頼りにならなさそうではあるんですが)や、「昔ながらのやり方」とやや嘲り気味に言いながら決闘スタイルの対決に誘う敵役の存在から考えてもおそらくこれは「Old Wey≒"時代遅れな"古いやり方」という意味合いを含ませたタイトルで、ここは原題そのままな方が映画の内容に合ってて良かったんじゃないかな……?という気がしましたね。

謳い文句のイメージを期待して観ると肩透かし感が(だいぶ?)ありますが、去りゆく時代と「古いやり方」を取る人々への、哀惜を覚えつつも決別を告げるような雰囲気を持つ作品だったように思います。
炭酸煎餅

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