awatan

マイ・エレメントのawatanのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・エレメント(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

こんな素敵な作品を届けてくれてありがとうという気持ちでいっぱい…!!

映像美、設定のアイデア、世界観が素晴らしいのに加えて
このストーリー…!
どれを書いたらいいかと迷うほど、素敵なシーンがたくさんあった。

移民、差別、親子、恋愛、、、
これらの要素が交わってメッセージ性を強く感じられるのに、全く違和感のないストーリー展開で、しっかり泣いて感動もしちゃって
過去のディズニー映画の中で上位を争う作品だった。

もう一回観たい…

以下、ながーい感想。


誰も悪者じゃない。
それぞれの正義や価値観の元で相手と接する、でもそれは相手には理解できないことでもあって、故に衝突を生む。
どうやって理解し合っていくのか?
終始ドキドキハラハラしながら鑑賞。

特にいいなと感じたところ。

・親子関係
ウェイド父がエンバーによく言っていた「いい子」という言葉に違和感があったけど
後にエンバーが「お店を継ぎたくない」というシーンで、やはりエンバーは「いい子」でいなければ、と縛られてしまっていたんだと分かった。
私は、エンバーとは少し違うけど
両親が不仲で、自分がいい子でいることが両親の機嫌や家族の空気が良くなる方法だと感じていい子を演じてきたから
エンバーの気持ちが痛いほど分かった。

ただ、私の相方は
「小さい頃からお店継ぎたいって嘘ついてたの?いつから嫌だったんだ?よくわからんかった」と言ってて
相方は私と比べてのびのびとした家庭で育った方なので(まさにウェイド笑)
やはり育ち方が違うと感じ方がこんなに違うんだなーと面白かった。
小さい頃は、なんとなくそう言ったり親が喜ぶのを見て言ったりしてるんだよね。
だんだん自我や自立心が芽生えてきて、葛藤するんだよね。わかるよー。

・ウェイド好き。
エンバーが「すぐカッとなっちゃうの」みたいなこと言った時、ウェイドが言った
「いいじゃないか!怒りは心が君に送っているサインだよ!」的な発言ががとっっても心に刺さった。もう好き。
あー育ちがいい人ってこういう良いポジティブな発言するんだよなあ…って思った。笑
同じ境遇同士のほうが分かり合えるだろうけど、ちがう境遇同士はこういう
自分にはなかった!
という行動や発言に救われることが本当にある。

・セロリ(あの歌詞)
ウェイド母がインターンの話を勧め、それを素直に喜べないエンバーに対してウェイドが「君の家の事情を知らないから」と諭すシーンでは、異なる人生を歩んできたもの同士は本当に「話」をしないと想像もつかないことがたくさんあるな、と、当たり前だけど改めて感じた。

・ディズニーだけど、誠実なエンド
最後、エンバー父が「本当にこいつでいいのか?」と軽く話していたシーンで
まだ心から信頼はしてないけど娘を応援しよう、という気持ちが感じられて、
全て解決ハッピーエンド!というわけではないところがリアルで良かった。


種族間の問題は大きすぎるけど、まずは1対1、そしてその周りの人、くらいなら、こうして理解し合えるんじゃないでしょうか。

という終わり方が、とても好きでした。
awatan

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