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水は海に向かって流れるのhikarouchのレビュー・感想・評価

水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)
3.5
全く評判聞かないけど、原作の漫画が相当好きだったので、見てみた。そしてこれはなかなか、良かった。

田島列島さんの淡々としてシュールな原作の世界観とはかなり雰囲気が違って、プロットの大筋は同じだけど、そこに結構ビビッドでキャッチーな味付けがされている。インテリアや衣装からして、めっちゃ色!めっちゃ柄!だし。最初はちょっとビックリしたけど、地味な話に地味な画では観客がついてこないと思ったんだろうと、途中で一人合点。これはこれとして、あり。
そしてなにより、広瀬すずよ。原作の榊さんは全然広瀬すずではない笑!けど、広瀬すずはこれはこれで、「惚れてまうやろー!!」の説得力がハンパじゃないので、アリッス。

直達くんを演じた男の子の演技がはじめ結構怪しくてハラハラしたけど、話が進むに連れてだんだん板についてきた。作品中で成長していた感じがあった。

脇を固める俳優陣が手堅くてよかった。というか、結構不安になる主役ふたりを、脇がうまく支えている映画だった。

榊さんの母親役はどの役者がやるんだろうとか、ラストはどこまでやるんだろうとか、そういうことを原作ファン目線でハラハラして見ていたんだけど、どちらもまずまず納得の落とし所。コメディの部分もだいたいちゃんと笑えるし、ムーちゃん(猫)はちゃんと可愛いし、漫画原作の実写映画化としては、うまくいった事例だと思う。

飯がうまそう映画としても、夜中に見るには非常に罪深くてよかった。ポトラッチ丼は作らねば。

「ご理解いただけたか!このハート泥棒!」の女の子もかわいかったね。

また漫画を読み返したくなった。

めちゃくちゃどうでも良いことだけど、、
榊さんの母親の再婚相手の連れ子がまだ3歳くらいで、でも再婚相手は榊さんの母親と同年代で50歳くらいに見えた。50歳に3歳の子どもがいたってもちろん良いんだけど、だとすると50歳の元妻はいくつなんだ?そして、まだ子どもが生まれて3年しか経っていないのに、もう別れて新しい女性と結婚して家庭を持っているの?それって、そっち側のストーリーも相当波乱万丈なのでは?そんな波乱万丈な紆余曲折をつい1,2年前くらいに経てきた家庭がこんな雰囲気であってる?という妙なところが、実写であるがゆえにかなり気になってしまった。
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