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愛と哀しみのボレロ
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『愛と哀しみのボレロ』に投稿された感想・評価

フライ

フライの感想・評価

4.1
色々な国の音楽家や舞踏家の夫婦へと等しく訪れる喜びや悲しみを時代の変遷を通して流れるストーリーは音楽や踊りと合わせながら見せられ激しい緩急に感情が追いつかなかった。
戦前、戦中、戦後とアメリカ、フランス、ドイツ、ロシアの音楽家や舞踏家の恋人達が結婚出産など序盤の素敵な展開から戦中、戦後、死や別れの悲劇を子や孫が引き継ぎながら紡がれる内容はかなり複雑だが、音楽やダンスを通し最後は愛と平和を感じさせるストーリーは壮大でとても心に染みた。特に最後のボレロは序盤一つ一つの楽器演奏が最後壮大な1つの音楽になる素晴らしさとも相まって離れ離れになっていた家族や別々の家族が交わる内容とも重なりとても感動した。
3時間と長い作品だが、それでもこれだけ壮大なストーリーだと若干の補足が必要にも感じた。後で気づいたが4時間強の完全版がある事を知り機会があれば是非観たいが…。
クロード・ルルーシュと聞くと「男と女」を思い浮かべる人が多いかもしれないが、私の中では断然この映画である。

ラスト、ラヴェルの〝ボレロ〟を17分間にわたって踊るジョルジュ・ドンの姿が圧巻。このシーンだけでもこの映画を劇場で観た甲斐があった。

世界の4大都市に住む家族が、戦争を挟んで約半世紀にわたって繰り広げる波瀾万丈の物語を映像詩人ルルーシュが音楽やバレエを全編に織り込んで映画化した。

モスクワ、パリ、ベルリン、ニューヨークを舞台に、実在の芸術家をモデルにした4人の軌跡をルルーシュ自らが脚本も執筆。

1936年モスクワ、踊り子の息子に生まれたセルゲイは成長後、親の夢だった花形バレエダンサーとして活躍。1937年パリ、音楽家同士の両親の間に生まれたロベールだが、ホロコーストで両親と別れる。1938年ベルリン、音楽家カールはナチスに屈することなく音楽活動を継続。1939年NY、ジャズ演奏家の娘として生まれたサラは後にジャズ歌手として成功する。

4つの都市での4つの別々の物語が描かれる。名前も素性も知らない彼らは、やがて一本の糸に手繰り寄せられたかのようにユニセフのチャリティー公演の同じ舞台に集結する。

3時間という時間の長さを感じさせない、壮大なスケールと音楽。クライマックスに向かい集結していくドラマと感動のフィナーレを劇場の大きなスクリーンと音響で堪能した。
ワンコ

ワンコの感想・評価

5.0
【寄り添い繋ぐ/音楽の力③】

※ 午前10時の映画祭リバイバル上映

僕の大好きな作品のひとつだ。

映画「愛と哀しみのボレロ」は、フランス、ロシア、ドイツ、アメリカと国・地域を超え、4つの家族が世代を跨ぎ、様々に交錯する物語を紡いだ作品だ。

そして、常に音楽が寄り添う。

この作品を初めて観た時に、音楽の力、特に寄り添ったり、人々を繋いだりする力を感じたし、また、もうひとつ、映画の可能性も感じた気がする。

2019年の「クレッシェンド 音楽の架け橋」は、この「愛と哀しみのボレロ」へのオマージュだと思った。
エンディングの場面、ガラスを隔ててパレスチナとイスラエルの若者がわだかまりを超えてオーケストラでラヴェルのボレロを演奏するのだ。

さて、この「愛と哀しみのボレロ」は、言わずと知れた実在の人物をモデルにした4人のアーティストが登場する。

実在の4人とは、指揮者カラヤン、「愛の讃歌」のエディット・ピアフ、グレン・ミラー・オーケストラを率いたグレン・ミラー、そして、バレエダンサーのヌレエフだ。

そして、今、この時代だからこそ、少し触れておきたいのはヌレエフについてだ。

アジア系、つまり、タタール系のロシア人で、ロシアではタタール系として迫害されていたと考えられる。映画の途中、大戦下の瓦礫の中でコサック・ダンスの場面があるが、ヌレエフの出自を思わせるところだ。
その後、自由を求めて亡命、イギリス、オーストリアでバレエダンサーとしての名声を確立し、晩年はパリでオペラ座のバレエ監督に就任し、後のコンテンポラリー・ダンスの大きな発展に寄与するウィリアム・フォーサイスを見出すなどしたのだ。

映画のエンディングの赤十字によるチャリティーの場面、あの踊りはバレエというよりコンテンポラリー・ダンスを思わせる。

映画「ダンサー・イン・パリ」で、バレエは上へ上へと向かう感じだが、コンテンポラリー・ダンスは下へ下へ大地を踏みしめる感じだと説明する場面があったが、そんなところからも、この最後のパフォーマンスや演出も改めてコンテンポラリー・ダンスのような気がするのだ。

僕の拙いレビューを読んでくださる皆さんに知って欲しいのは、今、紛争下にあるロシアもウクライナも世界的に著名な伝統のバレエ団を持ち、ガザ武装勢力と戦闘中のイスラエルは、世界のコンテンポラリー・ダンス芸術を牽引する国であるということだ。

この映画を改めて観て、これらの国々に科された運命の悪戯を感じざるを得ないが、同時に、再び音楽を通して彼らが向き合う時が来ることを祈りたくもなる。

そして、最後にどうしても考えなくてはならないのは、何度か時代を超えて登場する盲目のアコーディオン弾きについてだ。

彼は、見えているようで何も見えてない僕たちのメタファーかもしれない。
だが、今、仮に色々見えてなくても、耳を澄ませばきっと知ることが出来るというメッセージのような気にもなる。

この映画から感じる音楽の力と、映画表現の力が合わさった作品のように思う。

この機会に是非。

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