炭酸煎餅

スピリッツ・オブ・ジ・エアの炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

4.0
このよく分かんなさ、好きなよく分かんなさだ……

劇中の台詞だとどうやら舞台は文明崩壊後の世界らしくてSFっぽさもあるのですが、引用される聖書の一節、北で世界を断ち切るようにそそりたつ壁のような崖、その「壁」を超える事を望んで飛行機を作ろうとしている男、一方で父の墓を守り飛行機作りに反対する男の妹、そこへ現れた何者かに追われているらしい男……と何かの象徴・メタファーめいた人物・設定の数々と、科学的な説得性や詳細な設定は語られない語り口からして、おそらくこれはジャンル的にはファンタジーなんだろうな……と感じられました。

実は私は本作を人から教えられて知ったんですが、どんな文脈で紹介してもらったのかすっかり忘れてしまっていたのでどう転がる話なのかがなかなかつかめず、「誰かが、全員が何らかの嘘を吐いてる」系のスリラーめいたものを感じる所もあったりしたのですが、観終わってみるとその色彩や画作りも含めて、大人の読者を想定したアート系のイラストストーリー(絵本)のような作品だったな、という感想を持ちました。


途中から兄が滝藤賢一、妹が濱田マリに見えてきていやこれ実際登場人物も少ないし舞台劇でも行けるよな……とか関係ないことを考えていたのは秘密。
炭酸煎餅

炭酸煎餅