こばまさ

そばかすのこばまさのレビュー・感想・評価

そばかす(2022年製作の映画)
3.7
Netflixにある邦画が観終わらない問題…
こんなに邦画ばっかり観たのは、フィルマ始めて初めてかも。
それもこれも、観たい韓国映画が全くないのがデカいんよ。
それでは、これもどんな話か全く知らないけどいってみよう🚬


-蘇畑佳純(そばた・かすみ 演:三浦透子)30歳
チェリストになる夢を諦めて実家に戻って早数年、今はコールセンターで働きながら単調な日々を過ごしている。
妹(伊藤万理華)は結婚して妊娠中。
救急救命士の父(三宅弘城)は鬱気味で休職中。
バツ3の祖母(田島令子)は思った事を何でも口にし、妹と口喧嘩が絶えない毎日。
そして母(坂井真紀)は、いい歳した娘に恋人がいないことを嘆き、勝手にお見合いをセッティングする始末-

“LGBTQIA…あれ?なんか増えた⁉︎”


一旦、整理していいですか…?

L=レズビアン
G=ゲイ
B=バイセクシャル
T=トランスジェンダー
Q=クエスチョニング
I=インターセックス
A=アセクシャル

ワタシの中では「Q」で止まってましたが、「I」と「A」もあるのか…
このままカテゴリが増え続けていけば、いずれワタシもどれかに当てはまるんじゃないかと。
そんな冗談はさておき、この作品はどうやら「A」に該当する。

蘇畑佳純は、至って普通で普遍的な女性。
ただ単に、無性愛者なだけだ。
人付き合いが苦手とか、仕事上のコミュニケーションが取れないとか、全くそんな事はない。
うん、こういう人、世の中にいっぱい居ない?
カテゴリする必要あるのかな?

多様性が謳われる時代で、何でもかんでもその型にはめる必要があるのかどうか…
LGBT…までは分かるけど、Q…I…A…この辺りがスッキリしないのはワタシだけでしょうか?


そんな事を言ってもしょうがないので、内容に触れていきましょう。
主演を務めるのは、『ドライブ・マイ・カー』でその知名度と演技力を世に示した三浦透子。
椎名林檎の「ここでキスして」の歌詞に出てきそうな、綺麗とか美人なタイプではないけれど、何かとてつもない魅力がある彼女。
本作でも、そのアセクシャルという立ち位置を自然体な演技力で魅せてくれる。

そんな「そばかす」の旧友役、しかも元AV女優という肩書き付きで演じるのが前田敦子。
狙ってる訳じゃないのに、やたら前田敦子が出てる作品に当たるワタシ。
逆に言えば、それだけ多くの作品に出てるって事だよね?
この作品の彼女も、すごく良かった。

しかしながら、上記の2人を抑えてワタシがイチ推ししたいのが、『もっと超越した所へ』でギャル彼女を演じた伊藤万理華。
やはり、ワタシの目に狂いは無かった。
『もっと超越〜』で初めて彼女の演技を観たけど、もっと色んな役で観てみたいと思ったぐらい上手くて、今回さっそく違う作品で観て思ったよ。
彼女は売れる!!!(もう売れてる…


なんとなく、インディーズっぽい雰囲気のある映画で、個人的には『ケイコ 目を澄ませて』とかに近い印象。

最後にちょろっとだけ出演する北村匠海が、彼女の背中をそっと押してくれる。
僅か数秒ながら、色んな希望を含むラストカットとカメラワークはお見事でした。


そして、三浦透子は歌手としても素晴らしい。
本作で主題歌も担当する彼女、その歌声とその才能は計り知れないし、今後ますます活躍していく事間違いなし!

しかも楽曲提供、羊文学かよ〜🐑メェ~
めっちゃいい曲。
こばまさ

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